投稿日 2022.06.24

最終更新日 2022.06.24

海外のメタバース活用事例をピックアップ!世界はどれくらい進んでいるのか?

海外のメタバース活用事例をピックアップ!世界はどれくらい進んでいるのか?

日本国内はもちろん、世界的にも拡大の一途を辿っているメタバース。2022年6月には、メタバースにおける国際的なルールの取り決めを行うための組織「国際メタバース協議会」も立ち上げられ、今後もメタバースの勢いは止まらないことが予想されます。

ニューヨークにある「MARKETYSERS GLOBAL CONSULTING LLP」のグループ会社「Emergen Research」によると、新型コロナウイルスのから世界的に在宅勤務者が増えたことにより、メタバースに対する需要は急増。2028年には世界のメタバース市場規模は8,289億5,000万米ドルに到達すると見込まれており、世界各国の企業からのメタバース参入が相次いでいます。

ゲームなどの分野で活用されるケースが多かったメタバース。世界では化粧品やアパレル、不動産、教育などさまざまな分野での活用事例が報告されており、急激な進化を遂げていることが伺い知れます。アメリカ・コネチカット州スタンフォードに本拠地を置く「ガートナージャパン」は、2026年までに世界の人口の25%が1日1時間以上メタバースに滞在するようになるとの試算を発表。

人々の生活にとってメタバースはなくてはならない存在となることが予想されており、世界中からのメタバースに対する期待はこれからも高まることが予想されます。

メタバースの基本的な情報に関しては、過去記事にてご紹介しているので参考にしてみてください。
「メタバースとは?仮想空間を使ってできることやそのメリットについて解説」
 
■メタバースについて知りたい方はこちら

海外のメタバース活用事例8選

海外のメタバース活用事例8選

ここからは、世界のメタバース活用事例をご紹介します。

アディダス/ドイツ

アディダス/ドイツ-Into the Metaverse
世界的なスポーツブランドとして知られるアディダス。同企業のアパレル部門「adidas Originals」では、ブロックチェーンゲームの「The Sandbox」内にある仮想の土地を取得して、その土地内で「Into the Metaverse」というNFTコレクションを発表しました。

このコレクションの特徴は、NFTコミュニティの先駆け的存在である「Bored Ape Yacht Club」・「gmoney」・「PUNKS Comic」を制作したチームと共同で開発を行っているというところ。NFTの所有者に対して、“バーチャルにおけるブランドの体験と限定のプロダクト、メタバースへアクセスする権利”を得るための機会を提供します。NFT所有者はメタバース内で提供される新しい商品を試したり、商品の開発の体験を行ったりできることから、adidas Originalsのブランドに貢献することもできます。
 
adidas NFTが登場: メタバースの世界へようこそ | 【公式】アディダスオンラインショップ

スタンフォード大学/アメリカ


アメリカのスタンフォード大学では、VR環境内での講義を実施しています。「Virtual People」と呼ばれる講義は、VRヘッドセットを着用してバーチャル空間内に集合。アバターを通じてディスカッションを行ったり、デジタルアート作品の展示会を開催したりと、これまでにない講義の形を実現しています。

全く新しい授業のスタイルが実現できるとして「Virtual People」に注目が集まる一方、生徒たちの身体的負担を心配する声があるのも事実。目や脳にかかる負担の大きさがまだ立証されていないため、VRクラスの導入については議論が繰り広げられています。

一般的な授業の手段として浸透するかどうかは今後の動向に注目ですが、教育分野において重要な学習ツールになると見込んでいる人も少なくないようです。
 
スタンフォード大学

国立仁川大学校/韓国

XRメタバース仁川
韓国にある国立の「仁川大学校」では、メタバース教育を実施するためのインフラ構築を推進。仁川大学校がある仁川市はXRメタバース構築事業を推進していることもあり、メタバース教育に対して素早い動きを見せています。

メタバース教育のためのインフラ構築が進められている理由は、オンライン・オフラインどちらにも対応できる優秀な人材を育成するため。仁川大学校はソウル大学校と並んで韓国を代表する学校であることから、韓国内だけでなく世界からも注目を集める存在となることでしょう。
 
XRメタバース仁川つなぎプロジェクト

Meta/アメリカ

Horizon Worlds
メタバース市場拡大のきっかけとなる存在であるMeta(旧Facebook)。メタバース事業に注力することの意志表示として、Metaへと社名変更を行った旧Facebookでは、最初の取り組みとしてVRヘッドセット「Oculus Questシリーズ」を発売しました。

続いて、Oculus Questシリーズを活用する場として「Horizon Worlds」というプラットフォームを提供。Horizon Worlds上ではオリジナルの世界を作ったり、アバターを通じて他者と交流できたりと、メタバースの世界を体験することができます。

ビジネス用途での使用も想定されており、今後は新たな経済圏としても成長することを目指しているようです。
 
Horizon Worlds

nVIDIA/アメリカ

nVIDIA
アメリカの半導体大手として知られる「nVIDIA」は、アーティストやクリエイター向けにメタバースのコンテンツを無償提供したことで注目を集めました。メタバースという存在自体がコンピューターグラフィックスの技術に依存していることから、この状況を脱するための施策の一つとなっています。

アーティストやクリエイターたちが作り上げたコンテンツは、メタバース上で販売も可能。nVIDIAのテクニカルとマーケットプレイス運営会社との提携も実現し、今後新たな経済圏へと発展していくことが期待されています。

nVIDIA

アリババグループ/中国


中国を代表するIT企業「アリババグループ」の一つである「アリババクラウド」では、企業のメタバース構築を支援するための技術を提供しています。ゲーム開発スタジオの「JP GAMES」と技術提携し、メタバース上で新たなビジネスを生み出すためのソリューションを共同開発。

メタバースならではな没入感を味わえるオンラインショッピングスペースや、メタバース内での展示会・コンサート、バーチャルフィギュアによるロールプレイングイベントなど、さまざまなイベントの展開を容易に行なえるのが特徴です。Eコマースやバーチャル展示会、リモートワーク、オンラインエンターテインメントなど、デジタルの領域における新たな可能性を秘めた存在として、世界各国の企業から注目が集まっています。

アリババクラウド

ウォルト・ディズニー・カンパニー/アメリカ

アメリカ・カリフォルニア州に本社を置く「ウォルト・ディズニー・カンパニー」は、「バーチャルワールド・シミュレーター」という新しいテクノロジーをもとに、現実世界のテーマパークとメタバースとの融合に着手。米特許当局からの許可も正式に下りたことから、いよいよテーマパークへのメタバース導入が動き始めました。トラッキングシステムやプロジェクション装置、ARなどを導入して、より没入感の高い体験の提供を目指しています。

現実世界とメタバースとを区別するプロジェクトが一般的な中、“夢の世界”の提供に尽力してきたウォルト・ディズニー・カンパニーでは、現実世界と仮想世界との融合を目指しており、このプロジェクトはエンターテインメント業界の新たな一歩になると大きな期待が込められています。

米ディズニーがヘッドセットなしでAR世界を提供

カルフール/フランス

スーパーマーケットなどを展開するフランスの小売大手企業「カルフール」は、デジタルトランスフォーメーションの戦略に則ってメタバース事業への参入を発表しました。具体的なプロジェクトの内容についてはまだ公式に発表されておらず、どういった形でメタバースへ参入するのかはベールに包まれたままですが、小売業界大手がどのような形でメタバースを活用してくるのか期待が集まっています。

先にご紹介したアディダスなど、小売業界における大手企業のメタバースへの参入は、業界の活性化にも直結。業界としての新たな1ページになることは間違いなく、カルフールのメタバースが今後どう発展していくのか見ものです。

まとめ

世界各国の企業が、メタバースの参入に向けて慌ただしく動き始めています。弊社でも、企業のメタバース構築に向けたお手伝いを行っているので、メタバースにご興味をお持ちの企業の方はぜひ参考になさってください。
「Fabeee Metaverse Package」

この記事の監修者