メタバースとは?仮想空間を使ってできることやそのメリットについて解説

2022.02.28

2022.06.29

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メタバースとは?仮想空間を使ってできることやそのメリットについて解説
今、その注目度が急上昇している「メタバース」。Facebookの社名が「Meta」に変わったことから、メタバースへの注目度も上がったと言われています。
今回は、SNSやゲームの世界だけでなく、ビジネスの分野にも広がりつつあるメタバースについて解説。メタバースの活用やそのメリットに目を向けてみましょう。

メタバースとは?

メタバースとは?

最近、耳にする機会が増えてきた「メタバース」という言葉。まずはこの言葉の意味について触れていきましょう。

メタバース=仮想空間?

「メタバース」という言葉は、超越したという意味を持つ「meta」と、宇宙という意味を持つ「universe」という単語を組み合わせて作られたもの。メタバース=○○というはっきりとした答えは今現在も確立されておらず、漠然とした概念として存在しています。

メタバースはネット上のリアルには存在していない世界を指す言葉であることから、日本では仮想空間という単語に置き換えて使われるケースも。現在ある世界とは全く違う空間であるのは確かですが、それとは異次元の世界であるのがメタバースです。ただの仮想空間ではなく、 インターネット上に存在する、経済圏のある仮想空間という説明が、メタバースという言葉にはぴったりかもしれません。

メタバースの一番のポイントは、仮想区間内にて他者とコミュニケーションが取れるということ。仮想空間において自分一人だけの世界は、あくまでもただの3D空間でしかありません。

メタバースと呼ぶには、仮想空間の中にいる自分のアバターと他社のアバターとがコミュニケーションを取り、意思表示を行ったり意見交換を行ったりできることが前提となります。デジタルの空間の中でリアルに近い表現ができること。これが、メタバースの本質であると言えます。

メタバースとVRは同じ?

仮想空間という言葉を聞くと、VRなどを創造する人が多いことでしょう。しかし、メタバースとVRは似て非なるもの。メタバースはインターネット上にある経済圏を持つ仮想空間のことを指し、VRはメタバースの中の世界がまるで現実にあるかのように感じ取るためのデバイスのことを指します。

メタバースは仮想空間という空間自体のこと。一方VRは、その空間への没入感を与えるための手段のことを指す言葉なのです。

メタバースはなぜ注目されているのか

メタバースはなぜ注目されているのか

ビジネスの世界においても、注目される機会が増えてきたメタバース。では、なぜこれほどまでにその注目度が高まっているのでしょうか。

Facebookの社名変更が大きな契機に

2021年に社名変更を行った米Facebook。現在はMetaという社名になっており、メタバースを連想させる社名であることから、2021年は“メタバースの年”とも言われています。

社名からわかるように、メタバース構築のための企業として名乗りを上げたMeta。1.1兆円以上ものお金をメタバースの開発につぎ込むと発表したことから、業界内でも大きな注目を集めました。メタバースの開発にかける資金は今後も増やされる可能性が高いことから、メタバースに対する注目度も今後より一層上がっていくことが予想されます。

ただの社名変更ではなく、メタバースに向けての大きな一歩を踏み出したMetaの動きは、間違いなくメタバースへの注目度が上がる一因となりました。

非対面でのコミュニケーションへの必要性の高まり

これまでは人と人とが直接対面して、リアルの場でコミュニケーションを取ることが当たり前でした。しかし感染症の流行により、人同士の接触機会が減ってしまった今、これまでとは違うコミュニケーションの方法に目を向けなければなりません。

メタバースは、非対面でリアルに近いコミュニケーションが取れる手段。そのため、リアルでのイベント開催や人同士が対面して行うコミュニケーションが取れなくなった今の世の中にとって、需要の高いコミュニケーション方法となっているのです。

新しいコミュニケーションの形を模索せざるを得なくなったことから、メタバースへの注目度も一気に上がりました。

ブロックチェーンの技術を活用して経済活動が行えるようになった

これまで、アバターやアート作品、アイテム、土地など、メタバース内にある自分が作ったものや自分のモノには、「所有権」という認識がありませんでした。そのため、他人に不正コピーされるようなこともあり、モノに対する所有権という認識自体が曖昧だったのです。

しかし、メタバースにブロックチェーンを活用した技術「NFT(デジタル資産)」が採用されたことから、所有権に対する認識は一変。“自分のモノ”という所有権の認識が明確になったため、NFTの導入以前に起きていた不正コピーによるトラブルなどを回避できるようになったのです。

ブロックチェーンの技術を用いているNFTは、仮想通貨を用いた取引も可能。メタバース内での経済活用も行なえるようになったことも、メタバースに対する注目度が上がる一つの要因となりました。

 
■ブロックチェーン」とは何か?を知りたい方はこちら

メタバースでできることやその活用方法

タバースでできることやその活用方法

新しいコミュニケーションの形としても、注目されているメタバース。では、メタバースでは具体的にどのようなことができるのでしょうか。

よりコミュニケーション能力の高いリモート会議

メタバース内では当然、他者との会話が可能です。今は一つの会議の形として定着したリモート会議ですが、メタバース内で開催することによってよりリアルな感覚で他者とコミュケーションが取れるようになります。

Zoomなどを活用したリモート会議では、画面越しに相手の顔は見えてもどこか「画面上で開催されている会議の映像を見ているだけ」のような感覚に陥ることは珍しくありません。一方メタバースにて開催される会議の場合は、メタバース内に作成した自分のアバターと他者のアバターとが同じ会議室に存在しながら会話することができるため、実際に自分もその場にいるような感覚を味わうことが可能です。

モノや土地の売買、投資などの商業活動

メタバース内では、自分が所有するモノや土地、デジタルコンテンツなどを仮想通貨を用いて他者へ売買することができます。リアルの世界にある商品をメタバース内で売買するケースもあり、個人・企業にとっての新しい経済活動の場にもなっています。

また、仮想通貨を用いることでメタバース内において実際に収益を上げることができるため、投資の場として活用することも可能。資産運用目的で利用されるケースも増えています。

ライブなどバーチャルイベントの開催

メタバースは、ライブやイベントの開催場所として活用されるケースも珍しくありません。日本最大級の野外音楽イベントとして知られるFUJI ROCK FESTIVALでもメタバースの会場が設けられたり、大人気ゲームのフォートナイト内にて米津玄師がイベントを開催したりと、メタバースは人々の“楽しむ場”としても注目を集めています。

たくさんの人々が集まること自体が難しい時期であってもイベントが決行できるのはもちろん、バーチャルだからこその驚くような演出ができたりと、開催する側にとっても見る側にとってもメタバースでのイベント開催はメリット多いもの。現地に行けないときでもイベントの楽しさを味わえるのは、メタバースの強みでもあります。

メタバースのメリット

メタバースのメリット

現実の世界とはまた違った空間であるメタバース。非現実的な世界ある空間であるため、現実世界とは違ったメリットがたくさんあります。

では、メタバースにはどのようなメリットがあるのか、いくつかご紹介しましょう。

世界中からアクセスできる

現実世界において世界中を旅しようと思うと、旅するための日程を確保や飛行機チケットの手配、現地での宿泊先の手配、パスポートの準備…など、さまざまな準備が必要となります。その上、治安的に気軽に行けない国があったりと、世界中を自由に飛び回るということは想像以上に難しいことです。

その点、メタバースは国や地域の垣根なく広がっている仮想空間であることから、世界中のユーザーとつながることが可能。環境や政治、経済などの制約を受けることもないため、自由に世界の人とつながれるというメリットがあります。

非現実的な体験ができる

メタバースは、現実とは全く違う非現実的な世界に存在しています。そのため、現実では制約があってできないことも、メタバース上では実現可能。個人の表現力次第でどんなことでも可能にできるため、犯罪や不謹慎なこと以外であれば現実にはありえないことを表現することもできます。

非現実的なことを実現できるだけでなく、メタバース内においてそれをまるで現実に起きていることかのように体感できるのは、メタバースのメリットだと言えます。

コストカットに役立つ

企業にとっては、コストカットができるということもメタバースを活用するメリットの一つ。現実世界ではオフィスや店舗を維持するために費用が発生しますが、それらをメタバース内に移行することでオフィスや店舗の維持費は丸ごとカットできます。

実際に、オフィスや店舗をメタバース内に移行させる企業も増えていることから、今後もコストカットの恩恵を受ける企業は増えるでしょう。

メタバースの活用事例

メタバースの活用事例

では、実際にメタバースの活用を行っている企業の事例を見てみましょう。

メタバースを身近な存在にしたあつ森/任天堂

日本国内で初めて緊急事態宣言が出され、おうちじかんという言葉が生まれたとき、一躍注目が集まったのが任天堂の「あつまれどうぶつの森」というゲームソフト。“あつ森”の相性で親しまれ、人と人とがバーチャルでつながれる場として子どもから大人まで夢中になる人が後を絶ちませんでした。

Nintendo Switchのゲームソフトとして発売されたこのソフトは、ユーザーがそれぞれアバターを作り、そのアバターを使いながら無人島生活を充実させていくというもの。野菜を育てたり獲った魚を売ったり、自分で作った家具を売ったりして収益を上げ、その収益を投資に回したりすることもできることから、個々で違った楽しみ方ができるというおもしろみのあるソフトです。

オンライン通信を行えば、外部のユーザーとつながることも可能。アパレルブランドなど実在する企業とのコラボアイテムが出回るなど、現実世界と非現実世界のいいところを両方楽しめるという、メタバースの魅力を凝縮したゲームソフトとして注目を集めました。

バーチャル配信アプリを開発/グリー株式会社

SNSの運営会社であるグリーでは、2021年よりメタバース事業に参入。その第一歩としてバーチャル配信アプリ「REALITY」を開発し、このアプリを基盤としてメタバース事業の展開・グローバル化を目指しています。

REALITYは、アバターを活用したバーチャルライブの配信ができるアプリ。グリーの子会社であるREALITYがこれまで力を入れてきたライブエンターテインメント事業のノウハウを活かし、メタバース事業へと展開しながら世界規模でのサービス拡大を行っています。

 
■メタバースの海外事例はこちら

■メタバースのビジネス活用事例はこちら

まとめ

メタバースへの需要が高まった背景には、未だ収束しない感染症の存在があります。これを機に莫大な費用をかけてメタバースの開発を行う企業も増えていることから、感染症の流行が終息したあともメタバースへの需要は高まることでしょう。

メタバースがこれからどのような成長を遂げていくのか、楽しみですね。

この記事の監修者:杉森由政

この記事の監修者:杉森由政

2018年2月Fabeee株式会社CTOに就任。現在は、新規事業開発部門の責任者を務めるともに、AIやブロックチェーンなどの先端技術を用いた研究開発も担当。また広島大学との連携研究においては、生体データを解析する人工知能および解析アルゴリズムの研究開発にも携わるなど、多岐に渡り活躍をしている。
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