投稿日 2023.01.17

最終更新日 2023.01.17

【2025年の崖】DX推進が進まない、よくある失敗をご紹介

【2025年の崖】DX推進が進まない、よくある失敗をご紹介

失敗事例から学ぶDX成功の秘訣

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DX推進が進まない、失敗する企業の傾向

DX推進を試みる企業は数多く存在します。しかし、その中の少なくない数が失敗に終わっています。DX推進が進まない、失敗する企業によく見られる傾向は次の通りです。

DX推進についてよく理解していない

DX推進に失敗する企業の多くに見られる特徴は、DXについてよく理解していないということです。DXは現在非常に注目を集めている施策であり、経済産業省も企業の取り組みを推奨しています。「注目を集めているから自社でも取り入れよう」この程度の認識で、安易にDX化を進めようとする企業は少なくありません。そしてその多くがDX化に失敗しています。特に経営側が理解していない状態が目立ちます。

 
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DX推進に必要な環境が整えられていない

DX推進に失敗する企業の多くは、DX推進のために必要な環境が整えられていないまま導入をスタートする傾向も見られます。始める前から完璧に環境整備を完了する必要はありませんが、取り敢えず導入を開始し、小規模から徐々に範囲を広げていくなど、段階を踏みながら推進する必要があります。全く環境整備ができていない状態で見切り発車できるほどDX推進は簡単ではありません。

DXが失敗する理由

DXが失敗する理由
それではここからは、DX推進に失敗する理由について、よく見られるものを解説します。失敗の理由はさまざまですが、そのほとんどが失敗しやすい企業に見られる傾向と関連しています。

システムを入れればそれで成功すると考えているから

DX推進には、デジタルなシステム・ツールの導入が欠かせません。しかし、導入したからと言ってそれで自動的に社内のDX化が進んでいくわけではないのです。あくまでDX化を進めるのは人。システムやツールはそのための道具に過ぎません。必要なシステムを入れればそれでDX化が全て上手くいくと誤った認識を持ってしまうことで、全くDX化が進まず結果的に失敗に終わるパターンはよく見られます。

短期間で結果を出そうと焦るから

現在はDX化が大きな注目を集めており、さまざまな業界の多数の企業が導入を目指しています。デジタルの波に乗りたい、DX化の成功でレベルアップを果たしたい、そのような気持ちが前のめりになってしまい、短期間でDX化を完了させて結果を出そうとする企業も少なくありません。しかしこれは大きな誤りです。これまでのやり方を変え、社内の仕組みをDX化することは一朝一夕ではできません。途中で発生する課題を解決しながら、少しずつ前に進んでいくことが大切です。結果を焦ると課題が改善されないままになり成果も上がらず、失敗につながる可能性が高まります。

はっきりしたビジョンを持たないまま進めるから

DX推進に失敗する大きな理由が、はっきりしたビジョンを持たないままDX化を進めることです。DXはただなんとなく導入してもその効果を発揮しません。例えば社内のコミュニケーションをより活発化したい、社内における情報共有をスムーズにしたい、社内の手続きをデジタル化で効率的にしたい、このように企業が抱える課題を解決できるのがDX化の魅力です。逆に言えば、DX化で何をどうしたいのか、明確にしていない企業のDX推進は高い確率で失敗します。

DX推進に適した人材がいないから

DXを推進するためには、DX化に必要なスキルを有した人材が必要です。先に述べた通り、DX化はツールの導入をするだけでなく、推進を担当する人を用意して進めなければいけません。そのため、DX推進に適した人材がいなければ失敗の可能性は高くなるでしょう。人材の調達方法は主に2つ。DX推進に必要なスキルを持っている人材を外部から雇用するか、社内の人材にDX推進のためのスキルを身に付けさせるかのどちらかです。外部から雇用する方法は人材の調達が手軽にできますが、コストはかさみやすくなります。社内で育成する方法は時間はかかりますが、新たに人材を雇用するコストは削れます。どのような方法が自社のDX推進に適しているのか、見極めが大切です。

社内でDX化に関する理解が得られていないから

DX推進をトップダウンで言い渡すことは簡単です。しかし、現場に浸透しなければDX化成功とは言えません。DX化が進むと、社内の多くの部分がそれまでの体制から変化するでしょう。このような変化を好まない人もいます。例えば新しく導入するシステムを使いこなすには、現場でそのシステムを実際に使用する従業員の協力が不可欠です。DX化を何のために行うのか、どうして必要なのか、その意義をしっかり社内に周知できていなければ、現場の従業員の協力が得られず、失敗することがあります。

企業のDX推進の失敗事例

企業のDX推進の失敗事例
企業の失敗事例から学び、自分たちが同じ失敗をしないよう意識することも大切です。ここでは、他社のDX推進の失敗事例を紹介します。

フォードの事例

アメリカ有数の自動車メーカーであるフォードは、デジタル自動車の開発を目的として、開発戦略の拠点となる子会社を設立しました。しかし、結果的にこのフォードのDX推進は失敗に終わります。その大きな原因は、開発の拠点として作った子会社が、本社の自動車製造部門と完全に切り離され、連携が不十分だったことにあります。サービス品質の低下から売上は低調化し、株価も大きく下落することになってしまったのです。

三越伊勢丹の事例

日本屈指の大手百貨店、三越伊勢丹は日本の中でも早い段階からDXの重要性に注目していた企業の1つです。三越伊勢丹は、2013年にキュレーターが商品紹介を行うアメリカのSNS「Fancy」に進出しました。しかしこれが失敗します。失敗の原因は、具体的な目標を設定しないまま参入したことです。海外との接点をつくるなど漠然としたビジョンしか持っていなかったことが失敗を招きました。ただし、三越伊勢丹は失敗を活かしDX推進に成功。化粧品ECサイトや食品定期宅配サービスなど、DXを活かした複数のサービスを展開しています。

P&Gの事例

アメリカにあるグローバルな消費財メーカーのP&GもDX推進に失敗した過去を持っています。2011年に全社でDX化を行うという大規模な変革を打ち出しました。しかし結果的には失敗します。この失敗の原因は、DX化の目的やゴールを明確にしないまま推進してしまったことです。曖昧な状態でDX化を行い、しかもそこに莫大な費用までかけたにも関わらず、成功にはつながりませんでした。この失敗の責任を取り、当時のCEOは辞任しています。

失敗を許容する文化と諦めないこと

失敗を許容する文化と諦めないこと
DX推進を成功させるためのコツは、失敗を許容する文化を持つこと、そして諦めないことです。DXを導入しても、そのまま順調に社内に根付くとは限りません。推進している途中で上手くいかないこともあるでしょう。せっかく導入し環境整備を進めても、思った通りの結果が出ない可能性もあります。また、なかなかDX化を社内で理解してもらえず浸透しきらないこともあり得ます。まずはその失敗を許容することです。失敗を恐れていてはDX化は正しく進みません。失敗したらそれを認め受け止め、何が原因だったのか課題を明らかにしましょう。失敗の原因を改善すれば、それだけ成功に近づけます。もしなかなか成功が見えてこなくても、途中で諦めないことも重要です。諦めずにどうすれば成功するか考え、地道に着実にDX化を進めていきましょう。

【まとめ】DX推進の失敗について学び自社の取り組みに活かそう

DX推進を成功させるためには、失敗しやすい企業の傾向や失敗する理由、他の企業の失敗事例などを学び、失敗のパターンをできる限り回避することが大切です。また、失敗してもそこで諦めず、課題解決を行いながら根気強く推進を継続することもポイントとなります。ぜひこの記事を参考に、自社のDX化の状況を振り返り、失敗パターンに陥っていないか確認するとともに、成功するために必要なことを具体的に考えてみてください。

この記事の監修者