プログラミングとは?挫折しない学習方法やおすすめの言語について解説

2021.11.09

2022.02.02

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エンジニアとして仕事をする上で欠かせない、プログラミングスキルの習得。しかし、その挫折率は一説によると90%にも上ると言われており、プログラミングスキルの習得はたやすいものではないことがよくわかります。

そこで今回は、これからプログラミングスキルの習得を目指す人に向けて、プログラミングの基礎的な知識やおすすめの学習方法などをご紹介。プログラミングスキル習得のための一歩を踏み出すためにも、参考にしてみてください。

プログラミングとは何か?

プログラミングの学習方法についてご紹介する前に、まずは“プログラミングとは?”という基本的な疑問から解決していきましょう。

パソコンの普及とともに浸透した「プログラミング」という言葉

プログラミングは、「コンピュータへ指示を出す」という意味を持つ言葉。近ごろ耳にする機会が増えた、「プログラミング」という言葉ですが、この言葉はパソコンが世の中に普及し始めてから広く使われるようになりました。

今はプログラミングが小学校にて必修化されたこともあり、IT関連の職種に就く人のみならず小さな子を持つ親世代にとっても身近な言葉となっています。現在は、教育テレビなどでもプログラミングをテーマとした番組が増加。プログラミングは、これから一層“できて当たり前”の存在になりつつあると言えるのではないでしょうか。

プログラミング言語はパソコンへ指示を出すために必要な言語

コンピュータは、プログラム内にある指示に従い作業を実行していきますが、このプログラムを作るときに必要となるのが「プログラミング言語」です。どれだけ高機能なパソコンであっても、自ら勝手に考えて動き出すということはなく、必ず与えられた指示に従い動いています。

コンピュータ自体は人間の言葉を理解できないため、“機械語”と呼ばれる0と1だけを組み合わせた言葉で指示をださなければいけません。しかし、コンピュータが人間の言葉を理解できないように、人間も機械語を理解することは困難です。

そこで生み出されたのが、プログラミング言語。プログラミング言語は、機械語を人間が理解できるように変換したものです。人間とコンピュータ双方がやりとりを行うためには、プログラムの作成が欠かせません。その作業を行う上で必要となるのが、このプログラミング言語なのです。

プログラミングで世界が広がる

プログラミングは、今や人間が生きていく上で欠かせないスキルの一つとなっています。普段利用するアプリやWebサイト、デバイス、ゲームなど、身近にあるデジタルなものは全てプログラミングによって動いているのです。

また、日々人間が行っている単純な作業も、プログラミングを行うことでコンピュータに任せてしまうことができます。例えば、領収書の発行やオリジナル関数の作成、同じ作業を延々と繰り返す…など、プログラミングは人間がムダと感じる時間を全てコンピュータに任せるための手段なのです。

単純な作業やムダに時間がかかってしまい面倒だと感じる作業をコンピュータに任せることができれば、人間はよりクリエイティブな作業に時間を割くことができるようになります。また、今までになかった新たな技術の開発にもプログラミングが欠かせないため、プログラミングによって世界が広がると言っても過言ではないでしょう。

プログラミングの学習方法

これからプログラミングの勉強を始める人は、まず自分に合った学習方法を見つけることが大切です。スムーズに勉強を進めるためにも、効率の良い学習方法を身につけておきましょう。

書籍を活用する

プログラミングの学習方法としてメジャーなのが、書籍を活用する方法です。書籍を活用する一番のメリットは、情報が一ヵ所に集約されているということ。プログラミングの勉強に特化した書籍には必要な情報が初心者でも理解できるようにまとめられており、求めている情報を探すための時間と手間を省くことができます。

プログラミングの勉強を行うためには、情報を一元管理することも大切です。Web上で神作をかけると一度にたくさんの情報が出てくるため、勉強のたびに違うサイトを見てしまいかねません。効率良く勉強を進めるためには、情報を得る場所を1ヶ所にまとめておくことも大切。

1冊2~3,000円程度で手に入るものも多いので、プログラミングの勉強を始めるきっかけにまず自分に合いそうなものを手に取ってみてはいかがでしょうか。

ノート活用する

プログラミングの勉強を進める上で、カギとなるのが「インプット」と「アウトプット」です。プログラミング言語を覚えるためにはある程度の暗記も必要ですが、ただインプットするだけではいつまで経っても身になりません。

頭の中に入れた情報をしっかりと自分の中に落とし込むためには、アウトプットすることが大切。ノートがあればひたすら書き写してインプットでき、ひたすら書き出すことでアウトプットもできます。

プログラミングに必要な言語や概念をノートに記しておけば、後から見返すことも可能。実際にプログラムを作成したときのエラーを貼り付けて次回に活かすこともできるため、ノートの活用はプログラミングの知識を蓄えるために有効な学習方法だと言えます。

学習サイトを活用する

プログラミングスキルを持つ人材が不足していることから、今はプログラミングスキル習得のための学習サイトも数多く公開されています。学習サイトは、プログラミングの勉強に特化したものなので、勉強すべき順序通りに学習を進めることができ、つまずきやすいポイントもあらかじめ対策を練っておくことが可能。「今すぐプログラミングの勉強をスタートしたい」と考えている人には、学習サイトの利用がおすすめです。

また、学習サイトの利用は、場所や時間を気にせずプログラミングの勉強をしたいという人にも最適な学習方法。パソコンやスマホ、タブレットなどがあればいつでも好きな場所ですぐに勉強が始められるため、仕事の合間に学習を進めたいという人からの支持も高めです。

動画やアプリを活用する

動画やアプリなど、スマホがあればすぐに始められる学習方法もおすすめ。動画の場合は、映像と音声の力を借りて学習できるというメリットが、アプリはゲーム感覚で学習できるというメリットがあります。

アプリに関しては、“買い切り型”のものや“サブスクリクション型”のものなどがあり、有料であっても始めやすいものが少なくありません。プログラミングの勉強の第一歩として、動画やアプリを活用してみるのも一つの方法です。

プログラミングを勉強する上での大事なポイント

ただ黙々とプログラミングの勉強を続けるのも間違った方法ではありませんが、ポイントを知っておくことで学習効果の高まりがより一層期待できます。初めてプログラミングの勉強を進める上での不安を解消するためにも、大切なポイントを頭に入れておきましょう。

試行錯誤を繰り返す

社会人になってから始めてプログラミングの世界に触れる人にとって、プログラミングの勉強を進めていくことは簡単なことではないでしょう。なかなか思うように進まず、心が折れかけてしまうこともあるかもしれません。

しかしプログラミングは、何度も思考錯誤を繰り返すことが勉強を進める上で非常に大切。なによりも実行してみることが大切なプログラミングの勉強において、失敗したり思うように進まなかったりすることはごく自然なことなのです。

ソースコードを書き並べるだけでなく、実際に動かしてみることでそのコードが本当に正しいかどうかが見えてきます。完璧だと思っていたコードでも、動かしてみるとバグだらけ…というケースも珍しくありません。

大切なのは、トライアンドエラーを繰り返すこと。実際に動かしてみてバグがないかを見極め、見つけたバグに対してどう改善すべきかを考えることこそが、プログラミングを勉強する上で大切なポイントです。

毎日勉強の時間を設ける

習得までに時間がかかると言われている、プログラミングスキル。そのため、毎日コツコツと30分でも時間を作り、プログラミングの勉強に取り組むことが大切です。

プログラミングの知識を定着させるためには、学習の習慣化が欠かせません。勉強を始めてしばらくは、学習へのハードルが高いと感じることもあるでしょう。そのため、1日にまとめて長時間勉強に取り組むということは、そもそも無謀だと言えるのです。

プログラミングの勉強をスムーズに進めるポイントは、毎日少しずつ勉強に取り組んで早くプログラミングの全体像をつかむということ。まとめて一気に詰め込むのではなく、しっかりと頭にたたきこむためにも毎日勉強の時間を確保しましょう。

必要な分だけを学んでムダを省く

プログラミングについて全てのことを勉強しようとすると、対象となる範囲が広すぎるあまり、結局何も身につかないまま時間だけが過ぎてしまった…ということになりかねません。プログラミングの勉強をスムーズに進めるためには、全てを完璧にしなければいけないという考えを捨てること。「必要な分だけを学ぶ」という考えに変えることで、プログラミングの勉強をする上で生まれるムダを省くことができます。

勉強を進めていくうちに“必要な分”の範囲が増えたら、その都度学習の範囲を広めれば問題ありません。勉強を進める上で、「今やっていることは本当に必要か?」と自問しながら、ムダなく学習していきましょう。

おすすめするプログラミング言語

おすすめするプログラミング言語

プログラミング言語にはさまざまな種類のものがありますが、一体どれを学べばいいかわからないという人も少なくないことでしょう。プログラミング言語は、学習のしやすさや応用のしやすさ、その時のトレンドなど、さまざまな要件によって選ぶべき言語も変化するものです。
ここでは、一般的に“おすすめ”とされている言語を5種類ご紹介します。

Python

Googleの三大言語であるPythonは、コードの内容がシンプルであることから、初心者も学びやすいとされているプログラミング言語です。機械学習やAIなどで活用されており、汎用性も高いことから今後もPythonの需要は高まると考えられています。

Facebookやyoutube、Instagramなど身近なものにもPythonが使われているため、初心者でも抵抗なく勉強が始められるのではないでしょうか。

JavaScript

プログラミング言語の中でも、比較的難易度が低いとされるJavaScript。Webページなどに使用されるケースが多く、学習に使える情報も数多く出回っているため、他の言語に比べて勉強もしやすいでしょう。

JavaScriptとは別にJavaという似たような名称の言語がありますが、これはそれぞれ全く異なる言語なので注意が必要です。

Ruby

Rubyは日本生まれのプログラミング言語。Webアプリの開発で高い人気を誇っており、TwitterやクックパッドなどもRubyで作られています。

Rubyは、他のプログラミング言語に比べて文法やコード数が少ないことが特徴。日本人が開発した言語であることから、Rubyに関する日本語の情報が多いのも魅力です。

アプリケーションの開発を行うエンジニアを目指す人は、まずRubyの勉強から始めてみましょう。

Java

汎用性の高さから、世界中で活用されているJava。Pythonと同じくGoogleの三大言語として扱われており、大掛かりな業務システムなどを導入しているような企業でもよく活用されています。

処理能力が高いという長所がある一方、言語自体の難易度は高め。高性能な分コードも複雑化しており、初心者は習得までに時間がかかると考えておくのが無難です。

しかし、Javaの勉強に関する環境は充実しているため、頑張って習得できれば高いプログラミングスキルの習得につなげることができます。

Swift

Swiftは、2014年にAppleが開発したプログラミング言語。比較的新しい言語であり、iOSアプリの開発に適しています。現時点でSwiftに関する求人数は少ないものの、Apple製品に活用される言語であるため、その可能性は未知数であると言えるでしょう。

Swift読みやすく書きやすいという特徴がある一方、まだまだ情報は充実していないのが事実です。しかし、Apple製品に関連するアプリの開発には欠かせない言語であるため、iOS向けアプリの開発などを目的とする人にとっては必須の言語となるでしょう。

プログラミングの勉強を挫折しないコツ

プログラミングの勉強を挫折しないコツ

プログラミングの勉強をしたことがある人の中で、挫折を味わった人はなんと8割にも上ると言われています。確実にプログラミングのスキルを習得するためにも、最後まで勉強をやり切るコツを知っておくことが大切です。

やりたいことを明確にする

プログラミングの勉強は、やればやるほど疑問が増えてゴールが見えてこないという特徴があります。やりたいことを明確にしないまま勉強を始めてしまうと、必要なことも必要ないこともなんとなく学んでしまうため、終わりが見えず挫折してしまいかねません。

プログラミングは、どの言語であっても初心者にとっては難しいと感じるものです。勉強をやり遂げるためには、まずしっかりとしたゴールを設けることが大切。「プログラミングでどんなことがやりたいのか」を明確にした上で、勉強を始めましょう。

学習計画を立てる

先ほどの「やりたいことを明確にする」というコツにつながることですが、プログラミングの勉強には時間を要するため、途中のチェックポイントを設けておくことが大切です。最終的な“やりたいこと”だけでなく、そこに至るまでにどういったチェックポイントを通過すべきなのかも明確にしておくと、より勉強の計画が立てやすくなるでしょう。しっかりと学習計画を立てることができれば、勉強の途中で遅れが生じた場合も、いつまでに遅れを取り戻さなければいけないのかがわかりやすくなります。

学習計画はあまり長い期間を設けすぎるとモチベーションの低下につながるため、長くても3カ月以内で終わるように計画しましょう。

わからないことを質問できる環境を用意しておく

プログラミングの勉強を始めると、当然わからないことが出てくることでしょう。本やWebサイト、動画、アプリなど情報を探る手段はありますが、できれば直接回答してもらえるような人とつながっておけるとベストです。

例えば、知り合いのエンジニアを探してみたり、SNSを通じてエンジニアとつながってみたりなど、実はいくらでもプログラミングについての質問に答えてもらう人を探す方法があります。今は有料でメンターとつながるような仕組みを提供しているサービスなどもあるので、ぜひ、疑問点を直接質問して解決できる環境を用意しておいてください。

まとめ

プログラミングは、エンジニアを目指す人だけでなく副業を始めたいと考えている人にとっても注目のスキルです。無料のアプリなど、すぐに手に入るツールを使ってプログラミングの世界の入口に立つことも可能。

自分に合う学習方法を見つけて、効率良く勉強を進めてみてください。

この記事の監修者:杉森由政

この記事の監修者:杉森由政

2018年2月Fabeee株式会社CTOに就任。現在は、新規事業開発部門の責任者を務めるともに、AIやブロックチェーンなどの先端技術を用いた研究開発も担当。また広島大学との連携研究においては、生体データを解析する人工知能および解析アルゴリズムの研究開発にも携わるなど、多岐に渡り活躍をしている。
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