postgresqlからAurora(postgres)への移行作業時間について、圧縮形式とそのままの形式で比較する

2020.01.10

2021.08.12

Fabeee社員ブログ

こんにちは。
fabeee88です。
業務で、postgresqlからAurora(postgres)に移行を行うことになりました。その件ではAWS Database Migration Serviceを使用できません。エクスポート側のサーバの管理者いわく、オンプレミスのサーバでDMSの設定ができなかったとのこと。
 
初期のテストでエクスポートをしていたところ、カスタムアーカイブ方式(pg_restore)で行うよりも、普通のプレーンテキスト方式(pg_dump)の方がエクスポートとインポートの合計時間でやや速く完了する現象が多々発生。
 
試しにプレーンテキスト方式とカスタムアーカイブ方式にかかる時間を計測してみようと考えました。環境に依存する割合も多いとは思いますが。
スキーマ単位で試行します。
 
カスタムアーカイブ方式の方が、データファイルの容量ははるかに小さいですが、業務では処理時間も要求されるため、多少容量を取ろうとも、プレーンテキスト方式で行う方が良いケースも出てくると思います。
(スキーマが非常に多く存在するケースなど。現にわたくしの業務も、時間次第でpg_dumpを行う流れになっています)
 
業務のサーバで記事を書くわけにはいかないので、AWSでEC2,RDSサーバをレンタルして行います。
(AWSの、最も安い構成で行います)

スペック
エクスポート側 t2.micro EC2ローカル postgresql 11.6(EC2に直接インストール)   Amazon Linux 2 (memory1GB 2.5GHz 8GiB) インポート側 db.r5.large Aurora(postgresql) postgresql 10.7 (2vCPUs 16GiB RAM EBS:3500 Mbps)

 
移行の容量は、プレーンテキスト方式とカスタムアーカイブ方式の中間ファイルのサイズを目安にさせて頂きます。
小さいスキーマ

プレーンテキスト方式  
エクスポート時中間ファイル容量  
225MB
エクスポート所要時間
7秒
インポート所要時間
42秒
カスタムアーカイブ方式
エクスポート時中間ファイル容量  
22.5MB
エクスポート所要時間
12秒
インポート所要時間
41秒

小さいスキーマの、プレーンテキスト方式とカスタムアーカイブ方式の移行ログ
小さいスキーマの、移行中間ファイルのサイズ
 
大きいスキーマ

プレーンテキスト方式  
エクスポート時中間ファイル容量  
1.28GB
エクスポート所要時間
40秒
インポート所要時間
215秒
カスタムアーカイブ方式
エクスポート時中間ファイル容量  
51.7MB
エクスポート所要時間
56秒
インポート所要時間
213秒

大きいスキーマの、プレーンテキスト方式とカスタムアーカイブ方式の移行ログ
大きいスキーマの、移行中間ファイルのサイズ
 
もっと大きなサイズも試したかったのですが、機械的に単純複製したレコードをテーブルに大量挿入しても、圧縮効率が良くなりすぎてプレーンテキスト方式とカスタムアーカイブ方式の必要時間がほぼ変わらなくなりました。
(上記のようなデータ内容の場合、サイズ的にはカスタムアーカイブ方式のファイルは、プレーンテキスト方式のファイルの100分の1以下になります)
 
手持ちの比較用に使えるデータは上記ぐらいしか無かったのですが、当然マシンのスペックを上げれば、インポート側は劇的に改善することを実際の業務で確認しました。(今回は事情により掲載を見送らせて頂きますが)
実際の業務でエクスポート側は、オンプレミスだったのでスペックの向上は確認できていません。
 
もしご担当の業務で、夜間しかサービスを止められず、DMSも使えず、わずかな時間も貴重になる状況になりましたら、プレーンテキスト方式も試されてみてはいかがでしょうか。特にエクスポート側が、古いオンプレミスの場合の移行は該当すると思います。さらに通信時間の要素がからんでくる可能性はございますが。
 
拙い記事にお付き合い頂き、誠にありがとうございました。
 
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Fabeee編集部

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こちらの記事はFabeee編集部が執筆しております。