TMS(輸配送管理システム)とは?主な機能や導入効果を解説

2024.02.14

2024.02.14

DXのあるべき姿を考える

TMS(輸配送管理システム)とは?主な機能や導入効果を解説

物流DXは業界の喫緊の課題となっていますが、高い導入効果を発揮するとして期待されているのがTMS(輸配送管理システム・トランスポートマネジメントシステム)です。
 
人手不足の解消にもつながるという同システムは、具体的にどのようなメリットを、どんな機能によって発揮してくれるのでしょうか。この記事ではTMSの主な機能や、期待される導入効果について、解説します。

TMS(輸配送管理システム)とは

TMS(輸配送管理システム)とは

TMSはTransportation Management Systemの略称で、その名の通り輸配送に関する管理業務の大半を任せることのできるシステムです。
 
そもそも配送業務には多くの工程が発生し、そのマネジメントのために多大なリソースが割かれているものです。積荷の内容や配送先までのルート設定、そしてルートの混雑状況や、どんな運搬車両を使用するのかなど、すべてを最適化した上で輸送業が遂行されます。
 
この一連の管理業務が配送や配送計画業務そのものであり、日々その計画内容についての検討が必要です。積荷や配送先は毎回変動するので、それらに合わせて計画立案を行わなければなりません。
 
また、その日の天候や道路の混雑状況によっても、計画は大きく左右されることとなり、管理者の臨機応変な対応が求められます。このような負荷の大きな業務をサポートするのが、TMSというわけです。

TMSとWMSの違い

TMSとWMSの違い

TMSと似たようなシステムの一つに、WMSと呼ばれるものがあります。WMSはWarehouse Management Systemの略称で、日本語では「倉庫管理システム」とも呼ばれます。
 
WMSとTMSはお互いに似たような管理業務効率化を実現できるシステムですが、どのような業務に重きを置いているかが大きな違いであると言えます。まず、TMSの場合は配送車両の手配のように輸配送業務そのもののマネジメントに重きを置いたサービスです。出荷から積み込み、配送までの工程を管理するのに役立ちます。
 
一方のWMSは、名前からもわかるように倉庫管理業務の効率化に重きを置いたシステムです。入荷からピッキング、そして出荷までの管理を効率化することができます。
 
出荷業務の管理までカバーしている点はTMSとWMSで共通しているものの、出荷業務の以前から管理しているのか、出荷業務の以降をカバーしているのかという違いを把握しておくと良いでしょう。

TMSの導入メリット

TMSの導入メリット

TMSの導入は、企業に以下のようなメリットをもたらしてくれることから、近年その導入が積極的に進んでいます。具体的なメリットの内容を詳しく解説します。

配送状況を可視化しサービス改善を進められる

TMSの強みの一つに、配送状況を可視化してサービスの改善を進めることができるというものがあります。トラックやドライバーの状況を把握できるのはもちろん、ポイントとなるのが荷物が現在どこにあるのかを把握できる点です。
 
近年の配送需要の拡大とともに、物流担当の業務としてそのウェイトが大きくなってきているのが、荷物に関する問い合わせへの対応です。
 
荷物はいつ届くのか、荷物は現在どのあたりにあるのかといった問い合わせが、流通量の増大とともに急増しているのが現状です。
 
このような問い合わせ対応に対して、スムーズかつ正確に回答できるようサポートしてくれるのがTMSの存在です。TMSを使って荷物の現在地を正確に把握することで、上記の質問に対しても高い精度で回答し、サービス品質の向上を促すことができます。
 
また、可視化された配送状況データを集め、分析にかけることにより、優れた配送ルートの開拓などに役立てることもできます。頻繁に混雑して配送に遅延が発生しやすいルート、あるいは配送に時間がかかりやすいエリアを特定し、品質向上に向けて検討できるでしょう。

業務の属人化を回避できる

物流業務の主体はあくまでトラックドライバーであるため、荷物が正確かつ素早く配送できるかどうかはドライバーの力量に大きく依存するケースも少なくありませんでした。
 
ただ、近年は人材不足の加速が進み、ベテランドライバーの引退も今後増えると考えられていることから、既存のパフォーマンスを維持することが難しくなると予想されています。また、働き方改革法案によりドライバーの長時間労働に規制がかかることから、熟練した個人の技術に依存することがますます難しくなるでしょう。
 
このような属人化の問題に対処する上で、TMSの導入は非常に効果的です。TMSが常に配送先や混雑状況などに応じた最適のルートをリアルタイムで提案し、ドライバーに情報を提供してくれるので、経験の浅いドライバーでも熟練ドライバー並みの判断で輸配送を行えます。
 

積載率を高めて人材・トラック不足の改善につながる

TMSの導入による管理業務の効率化は、積載率を高めて効率よくトラックを活用する上でも効果的です。
 
配車計画をデータに基づいて高度に計算の上建てることができ、無駄のないトラックの活用を推進し、積載率が少ない状態で走行するトラックを減らすことが可能になります。
 
積載率を高めることは、人材不足やトラック不足を解消する上で重要な要素です。一台あたりで輸送できる量を増やすことで、以前より人手が不足している状況でも、同じ量の荷物を輸送することができるからです。

TMS導入のデメリット

TMS導入のデメリット

TMSの導入は魅力的なメリットを多数備えている反面、導入に際しては注意しておくべきデメリットもあります。

システム導入のコストがかかる

まず、TMSの導入は当たり前ですが費用がかかるため、ある程度の予算を確保しなければ円滑に導入することは難しいでしょう。
 
また、TMSとは一言で言っても複数の製品があるため、自社に適している製品がどれか、ということをベンダーやコンサルタントと相談しながら進めていく必要もあることから、そのための時間的コストなども見積もっておかなければなりません。
 
ただ、このような費用面のコストは全て自社で賄う必要があるとは限らず、IT導入補助金などの補助制度を活用して、負担をある程度軽減することもできます。制度利用にあたっては条件などが科されているものの、広い範囲で適用できるケースがほとんどなので、まずは積極的に活用を検討してみましょう。

導入効果が現れるまでに時間がかかる

また、TMSは導入を実現できても、すぐに成果が現れるとも限りません。TMSを運用するのは人間なので、TMSを前提とした業務フローに馴染むまでには相応の期間を必要とします。
 
TMSを使いこなすためには、事前に社員向けの研修などを行うことも必要です。導入に際しては短期間での成果を求めるのではなく、中長期的にじっくりと成果に向き合っていくことが求められます。

TMSの主な機能

TMSの主な機能

TMSには複数の製品がありますが、いずれの製品においても共通しているものとしては以下のような機能があります。

配車管理

TMSの基本機能が、配車管理です。荷物やトラックの割り当てを効率化・あるいは自動化し、最も高い積載率や効率的な配送ルートの確立に役立てるようなマネジメントを実現できます。
 
荷物の内容やトラックの特徴、配送先の特徴なども踏まえて配車管理を行うため、有人での管理よりも優れたパフォーマンスを発揮できます。

配送進捗管理

配送進捗管理は、トラックやドライバー、そして荷物の位置情報を逐一把握し、進捗を自動で共有するための機能です。
 
荷物がいつ届くのかを把握するのはもちろん、ドライブレコーダーなどと組み合わせて運用すればトラックの燃費効率を確認したり、ドライバーの運転技術を評価したりするのにも使われます。

TMS導入のポイント

TMS導入のポイント

TMSの導入に際して知っておきたいポイントとしては、まず自社の課題を明らかにして、最適な製品を選ぶプロセスを知っておくことです。自社の課題解決に直結するサービスでないと、せっかくTMSを導入しても期待していたような成果が得られないこともあります。
 
また、上で紹介しやWMSなどの他の製品との互換性も確認し、より高度な業務のデジタル化にもつながるよう促せると心強いでしょう。

まとめ

この記事では、TMSとはどのようなサービスなのか、導入によって期待できるメリットや、注意すべきデメリットは何なのかについて解説しました。
 
TMSの導入は高度な業務効率化が期待できるだけでなく、業務の品質向上やサービス改善においても効果を発揮します。
 
導入に際してはコストの問題や成果が出るまでに時間がかかるなどの課題も懸念されますが、補助金制度などを有効活用し、最大限導入成果を高めましょう。

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この記事の監修者:阿部雅文

この記事の監修者:阿部雅文

Fabeee株式会社バンソウDX事業部 部長
戦略コンサルティングファームにてスタートアップ企業からエンタープライズ企業のデジタルマーケティングや事業開発におけるコンサルティング業務に従事する。

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