投稿日 2023.11.16

最終更新日 2023.11.16

賃貸不動産業のDXにはどんなシステムが役に立つ?人気のサービスを紹介

賃貸不動産業のDXにはどんなシステムが役に立つ?人気のサービスを紹介

DXの余地が大きく、今後急速にデジタル化が進むとされているのが賃貸不動産業です。対面での業務が数多く発生する同業界では、どのようなDX施策が可能なのでしょうか。
 
この記事では、賃貸不動産業のDXにはどのような施策が有効なのか、そしてDXにはどんなサービスが活躍しているのか、主な製品を紹介します。

賃貸不動産業がDXを実施するメリット

賃貸不動産業がDXを実施するメリット

そもそも、賃貸不動産業はDXによって具体的にどのような恩恵を期待できるのでしょうか。主なメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。

生産性向上に役立つ

DXの最大のメリットは、やはり業務の生産性向上です。これまで紙で行っていた業務をデジタルに移行するだけでも、紙を印刷する手間や紙で保管する手間、紙を共有する負担などを丸ごと解消し、時間や労力を大幅に抑えることにつながります。
 
また、近年はAIを使った自動化ツールも広く普及しつつあり、時間のかかる作業労働をAIに任せることで、業務時間を丸ごと削減できるだけでなく、ヒューマンエラーの解消やスピーディな業務遂行を実現し、少人数でも質の高い業務を遂行できる環境を得られるでしょう。

サービスの品質向上に貢献する

DXによる業務の自動化や効率化は、賃貸不動産業におけるサービス品質の向上にも貢献します。対面でのやり取りを極力解消することで、来店の面倒を回避しながら物件の内覧や契約手続きを進め、顧客満足度の改善が期待できます。
 
質の高いサービスを提供できれば、他社との差別化につながり、売り上げを伸ばすことができるでしょう。

新しい市場開拓につながる

これまでトライできていなかった新しい市場の開拓にもDXが役に立ちます。地域密着型の事業者なら地域外の潜在顧客にアプローチし、地域性に縛られない顧客開拓を進められるでしょう。
 
また、既存の物件にIoT設備を導入すれば、スマートホームとして新しい価値を不動産に設けて、これまでとは異なる層にターゲティングすることも可能です。

賃貸不動産業DXの主な施策

賃貸不動産業DXの主な施策

賃貸不動産業DXを実施する上では、主に以下のような施策が企業で採用されています。DXをどのように進めるべきか悩んでいる場合、参考にしてみましょう。

不動産管理システム

賃貸不動産業DXにおいてポピュラーな施策が、不動産管理システムの導入です。不動産情報を一つのシステムに一本化して管理し、データ検索や活用の手間を削減できます。
 
また、家賃の管理や家主への収支報告書の作成など、面倒な作業の多くを自動化して担当者の負担を削減し、新規営業などに向けたリソースの確保にも貢献するでしょう。

Web接客・会議ツール

オンラインでの顧客とのやり取りに活躍するのが、Web接客や会議ツールです。対面で会わなくともコミュニケーションをとることができるので、リモートでの営業活動やオンライン内見の実施において強力な効果を発揮します。
 
あるいはチャットボットを使った問い合わせ対応なども近年は導入が進んでおり、カスタマーサポートの強化で見込み客との接点強化につながります。また不動産賃貸業界においては、IT重説などの実施においても活躍するサービスです。

自動予約システム

専用のスケジュール管理アプリやチャットボットを使って、内見予約や来店予約を自動化するケースも増えています。ユーザーはカレンダーから希望時間を指定するだけで予約が完了できるので、面倒なスケジュール調整の手間がかかりません。
 
営業担当者も、何度もメールや電話のやり取りを行わなくとも時間を調整できるため、業務負担の削減につながります。

電子契約システム

最近では法改正に伴い、契約手続きもオンラインで済ませられるようになってきました。電子契約システムはデジタルで契約書を発行し、オンラインで契約の締結を完了できるサービスです。
 
賃貸契約のために来店する必要がなくなるとともに、お互いに時間調整を行う必要もなくなるので、円滑な業務の遂行とユーザビリティの改善に貢献します。

賃貸不動産業DXで人気のサービス

賃貸不動産業DXで人気のサービス

賃貸不動産業DXにおいては多様なサービスの活用が進んでいますが、中でも人気の高いサービスとしては以下のような製品が挙げられます。

GMO賃貸DX

GMO賃貸DXは、賃貸管理に必要な大半の機能を一つのシステムとして提供してくれるサービスです。オーナーと入居者という二者をまとめてアプリで管理するという機能が備わっており、別個での管理と比べて飛躍的な業務効率化が実現します。
 
見積書や契約書の作成、収支報告書の作成、そしてオーナーとのコミュニケーションに至るまで、面倒な業務や属人化しやすい業務を専用システムで管理できるようになるため、誰でも質の高い管理業務を実現可能です。
 
近年増えつつある外国籍オーナーにもシームレスに対応できるよう、日本語だけでなく英語や中国語といった外国語対応も進んでいるため、あらゆる不動産管理業務に役立ちます。

LiveCall

オンライン接客ツールとして高い人気を誇るのが、LiveCallです。ビデオ通話や音声通話、そしてテキストチャットを通じて顧客と円滑なコミュニケーションが行え、専用の拠点から顧客と対話することができるため、各拠点にオペレーターや対応担当者を設置する必要がなくなります。
 
PCやスマホ、タブレット、あるいはデジタルサイネージなどあらゆるデバイスからの利用に対応しており、ワンタップで接続可能な利便性も高く評価されている製品です。導入に際しては最短で3日で実現可能という利用ハードルの低さも魅力で、スピーディにDXを進めたいという需要にも応えられます。

クラウドサイン

国内で最も利用されている電子契約ツールの一つが、クラウドサインです。クラウド環境を導入しオンラインで契約手続きを完結できる機能を備えているため、電子契約の導入を進めたい方にとって強力なサービスと言えます。
 
契約相手がクラウドサインを利用していない場合であっても、メールアドレス認証を行うだけで契約を進められるため、互換性の問題に直面する心配はありません。WebブラウザとインターネットだけでDXが推進できる、導入効果の高い製品です。

賃貸不動産業DXを成功に導くポイント

賃貸不動産業DXを成功に導くポイント

賃貸不動産業DXを成功に導く上では、以下のポイントを抑えることが重要です。

自社の課題を把握する

まず、賃貸不動産業DXにはさまざまなアプローチがあるため、どのソリューションを導入するかでその成果は大きく変わってきます。検討すべきは、まず自社でどんな課題を抱えているのか、そしてその課題を解決するにはどんな解決策が効果的なのかです。
 
DXは自社課題の解決に最適な施策を正しく選ばないと、期待しているような効果を得ることはできません。課題の発見と分析をはじめに実施し、導入の失敗を回避しましょう。

全社的なDXへの理解を深める

DXは単なるITツール活用にとどまらない、抜本的な改革が必要な取り組みです。既存のワークフローを改革する必要もあり、特に経営者層の協力がなければ、速やかなDXの実施は難しいものです。
 
IT担当者にDXを任せるのではなく、トップダウンでDXを強力に進められる環境を整備し、施策を実行しましょう。

製品導入後の効果測定と改善を怠らない

DXソリューション導入後、正しくツールを活用できているか、どれくらい効果が上がっているかについては適宜測定し、改善ポイントを発見することも大切です。
 
DXを正しく使用できていない、現場でのDXツールの理解が浸透していないなどの問題は、例え最適なソリューションを導入できていても期待していたようなパフォーマンスを阻害する可能性があります。効果測定を通じて成果を数値化し、改善の余地があるか、どんな改善施策が有効かを検討しましょう。

まとめ

この記事では、賃貸不動産業における主なDX施策や、DXをサポートする主なサービスについて解説しました。
 
DXにはさまざまなアプローチがあり、賃貸不動産に特化したサービスも登場しています。とはいえDXはただソリューションを導入すれば確実に成功するわけではないため、注意が必要です。
 
まずは自社で解決すべき課題を特定し、どのようなDX施策を実施すれば良いか、検討してみるのが良いでしょう。
 
Fabeee株式会社ではデジタルトランスフォーメーション(DX)の支援をしております。お客様と伴奏してサポートいたします。製造業、不動産、自治体など幅広い業界において、DXの実績を持ち、お客様のビジョンを実現するお手伝いをしてきました。事業戦略の策定から新規事業アイデアの創出、開発、実装、そして運用まで、DXプロジェクトのあらゆるフェーズをサポートします。お客様と共に新しいビジネス機会を探求し、戦略的なアドバイスを提供します。貴社の成長戦略を加速し、競争力を高め、持続可能な成功を支えます。
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この記事の監修者

阿部 雅文

阿部 雅文

コンサルタント

北海道大学法学部卒業。新卒でITベンチャー企業入社し、20代で新規事業の事業部長を経験。その後さらなる事業開発の経験を積むために、戦略コンサルティングファームにてスタートアップ企業からエンタープライズ企業のデジタルマーケティングや事業開発におけるコンサルティング業務に従事する。2021年5月にFabeeeにジョイン。DXコンサルタントとして大手メーカーや総合商社などを担当するほか、数多くのクライアントから指名を受け、各社の事業開発を支援中。多忙を極める中でも、丁寧で迅速な対応が顧客から高い評価を得ている。