投稿日 2022.10.14

最終更新日 2022.10.14

メタバース不動産取引について企業の活用事例を踏まえて分かりやすく解説

メタバース不動産取引について企業の活用事例を踏まえて分かりやすく解説

■不動産事業者様必見!DXの課題を分かりやすくまとめました。

メタバースの不動産取引とは?

メタバースとは、インターネット上にある仮想空間を指します。仮想空間、つまりバーチャルの世界では、集った人たち同士がコミュニケーションし、経済活動を行うこともできます。メタバース内にある区画や空間は、土地(LAND)として売買されています。これが、メタバースの不動産取引です。

現実世界の土地を含む不動産は、登記することで所有者を特定できますが、メタバースの不動産は、NFTという技術を使って所有実態や権利の信用性を担保しています。なお、NFTとは、Non-Fungible Tokenの頭文字をとった言葉で、日本語では「複製不能なデジタルデータ」と訳されます。管理者がいなくても不正取引を排除できるブロックチェーンの仕組みは、暗号資産取引でも使われますが、NFTでも同じ技術を使い、メタバース上の不動産に価値を持たせることに成功しています。

メタバース不動産の購入方法

メタバース不動産の購入方法
メタバースの不動産はどのようにして購入できるのでしょうか。こちらでは、メタバース上にある不動産の購入手順を、購入に必要なものを含めて説明します。

暗号資産取引所で口座開設をする

メタバースでの取引は、暗号資産で行われることがほとんどです。そのため、暗号資産取引所で口座を開設し、日本円を暗号資産に交換しておく必要があります。暗号資産取引所は数多くあり、取引コストや最低取引単位、サポート体制など違いがあります。そのため、初めて暗号資産を利用する人はよく比較して選びましょう。また暗号資産はいろいろな種類がありますが、プラットフォームごとに利用できる暗号資産は異なるので、事前に確認しておくことが大切です。

メタマスクを接続

メタマスクは、暗号通貨や土地を管理するための財布のような働きを持つブラウザの拡張機能です。使っているブラウザのストアを開いて、拡張機能のメニューの中から「MetaMask」と検索すると見つけることができます。ダウンロードしてブラウザに追加したメタマスクを起動し、ウォレットを作成します。作成が完了したら、取引所で交換した暗号資産をウォレットに送ります。

メタバースのアカウント作成

土地を購入できるメタバースプラットフォームのアカウントを作成します。

メタバースの土地を購入する

アカウントを作成したら、予算に応じて好みの土地を購入できます。土地は、NFTプラットフォームのOpenSeaなどを利用して探すことも可能です。

土地が買えるメタバースプラットフォーム4選

土地が買えるメタバースプラットフォーム4選
メタバースサービスを提供する企業は増えていますが、土地を購入できるところは限られます。こちらでは、土地購入が可能なメタバースプラットフォームのうち、主なものを取り上げ、特徴や企業が利用する際のメリットをご紹介します。

The Sandbox(サンドボックス)

The Sandboxは、土地購入に加え、ワールドやゲームを作ることができるツールが用意されています。購入した土地に自社なりの世界観を作り出したり、作ったゲームを置き、訪れたユーザーに遊んでもらうことができます。ユーザーを取り込む仕組みを期待し、多くの企業やスポンサーが参入しています。プラットフォームは、ネームバリューがあるほど商品やサービスの価格が高くなる傾向があるので、メタバースの世界で優位に立つことが見込まれるThe Sandboxの土地を保有していれば、より多くの収益が見込めるかもしれません。
 
The Sandboxはこちら

Decentraland(ディセントラランド)

Decentralandの主体は、運営者ではなくユーザーとされていて、各ユーザーが独自の世界を作れる面白さがあります。簡単にワールドが作れるツールも用意されていて、クリエイターも集まっています。Decentralandでは、さまざまなイベントが頻繁に開かれていますが、イベントの多さはたくさんのユーザーを呼び込むことにつながり、ビジネスの機会が広がると考えられます。また、Decentralandの土地は、全部で9万区画超と限られます。希少性のある土地を所有していれば、土地の売買や賃貸の面で優位に立てる可能性があります。
 
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Cryptovoxels(クリプトボクセル)

Cryptovoxelsは、比較的手軽に世界を作ったり編集できたりするメタバースとして知られています。専用の編集ツールがあり、使い方を習得できれば、他のメタバースで必要となることが多いプログラミングの知識がなくても世界観を作り出せます。VRデバイスに加え、Webブラウザやスマホからもアクセスできるので、パソコン操作に慣れている企業の方は取り組みやすいかもしれません。
 
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Somnium Space(ソムニウムスペース)

Somnium Spaceは、建物やアバター、ゲームツールなどを提供しているので、土地を購入してからのビジネス展開をスピーディーに行える可能性があります。Somnium Spaceは、暗号資産のイーサリアムに加え、SOLANAにも対応していることから、経済圏の広いメタバースサービスに成長すると期待されます。
 
Somnium Spaceはこちら

土地の使い道や企業の活用事例

土地の使い道や企業の活用事例
メタバースの土地を購入すると、どんな使い方ができるのでしょうか。企業が取り組める点を中心に取り上げます。

土地の転売

メタバースの不動産の価格は、需要と供給のバランスで大きく変化することがあります。そして、メタバースはこれから伸びしろがあるサービスとして期待されているものの、実際に活用している人は限られています。知名度が上がれば、土地の値段も高騰すると考えられるので、価格が安い時に土地を購入し、高騰したときに売却して利益を確保できるかもしれません。

仮想空間にあるといっても、土地の数は各サービス内で限定されているので、希少性があります。また、メタバースの不動産は、現実世界の土地や建物と違い、災害などで消失したり、経年劣化することはないため、不可抗力による不動産価格の下落が少ないとされる点も早めに所有しておくメリットといえるでしょう。

土地の貸し出し

メタバースの土地を他のユーザーに貸し出し、レンタル料を得ることもできます。現実世界と同様、メタバースの土地にも立地の良し悪しが存在します。活用幅が広い土地を所有していると、レンタル料も高く設定でき、長期的に収益を上げられる可能性が高くなります。

付加価値をつけて売却する

購入したメタバースの土地に3Dで作成した建物を作り、土地と建築物をセットで売却できます。実際、メタバース専門の建築事務所も登場しており、デザイナーなどの仕事も増えています。魅力的な建築物を作ることができれば、高値での売却も期待されます。

土地を活用してビジネスを行う

保有しているメタバースの土地に店舗を出したり、サービスを運営することもできます。広い土地を所有している場合は、イベント開催も可能です。人通りが多い土地では、広告を出して稼ぐこともできるようです。将来的には、所有している土地でゲームを公開して収益を得る機会も開かれる予定です。

メタバースの土地活用は、いろいろな企業が開始しています。こちらでは、企業が打ち出している展望や活用事例を見ていきます。

ワーナー・ミュージック・グループ

2022年1月に、ワーナーミュージック・グループはThe Sandboxの土地を所有し、メタバース上に音楽の新しいテーマパーク「Warner Music Group LAND」を展開すると発表しています。同社所属のアーティストとファンが交流できる場を設けたり、イベント用の新しいアリーナを作り、コンサートなどの音楽体験を提供するとしています。

アディダスジャパン

2021年12月に、アディダスジャパンは、メタバース上で「Into the Metaverse」を開催し、NFTコレクションを販売しました。メタバース上で使用できるウェアラブルNFTと、同じデザインのリアル商品を手にできることが魅力となっています。

KDDI

メタバース空間の活用は、通信大手のKDDIでもすでに行われています。パートナー企業とタッグを組み、「バーチャル渋谷 au 5G ハロウィーン」を2020年から始めていることはよく知られています。さらに、バーチャル空間で野球観戦ができる「バーチャルハマスタ」も好評です。KDDIの取り組みの魅力は、仮想空間であっても現実世界と連動していることです。双方に還元する仕組みを作ることで、活動に幅が出てくると期待できます。

【まとめ】メタバースの土地を利用してビジネスチャンスを広げるには

仮想空間であるメタバース上にある土地を利用して、企業独自の世界を作り出し、ビジネスにつなげる動きが加速しています。メタバース上でサービスを提供するのに土地を利用できますが、土地自体を売買したり、貸し出すことも可能です。メタバースで売買できる土地やプラットフォームは限られており、すでに価格高騰の懸念も出てきています。早急に方針を決め、行動に移すことがビジネスチャンスを広げるのに役立つでしょう。

この記事の監修者