「マーケティングフレームワーク」とは?その重要性や種類による違いに目を向けてみよう

2022.05.02

2023.08.07

マーケティング

「マーケティングフレームワーク」とは?その重要性や種類による違いに目を向けてみよう

仕事を効率良く進めていくために欠かせないのが、「マーケティングフレームワーク」。マーケティングという単語が入っていることから、マーケティングにしか活用できない考え方のように捉えている人もいるかもしれませんが、マーケティングフレームワークは仕事に取り組む上で知っておくべき枠組みであると言えます。

そこで今回は、マーケティングフレームワークの重要性や種類の違いについて解説。社会人が知っておくべきマーケティングフレームワークのイロハを、学んでいきましょう。

「マーケティングフレームワーク」とは?

「マーケティングフレームワーク」とは?

「マーケティングフレームワーク」とは、ビジネスにおけるさまざまな課題や事象を取りこぼすことなく、素早くかつ全体を把握するために使用される枠組みのこと。「どこに問題があるのか」、「問題を解決するための糸口はどこにあるのか」、「用意した解決策は効果を発揮しているのか」など、マーケティングフレームワークは課題を解決するための大きなヒントとなる存在です。

マーケティングフレームワークには、ビジネスにおける目標を達成するまでの時間が最短になるというメリットがありますが、活用することに重きをおかないということが重要なポイント。あくまでも仕事を円滑に進めていくための“手段のひとつ”に過ぎないため、適材適所でその力に頼れるよう知識として知っておくことが大切です。

マーケティングフレームワークはなぜ重要なのか

マーケティングフレームワークはなぜ重要なのか
マーケティングフレームワークは、それぞれの分野の専門家が生み出した数多くの実績を持つ手法。社内にはさまざまな人がいることから、一つのことに対する考え方もまたさまざまです。そのため、人それぞれが持っているさまざまな考え方のもとで課題に向き合っていると、同じ方向へ進むまでにかなりの時間を要してしまうケースも珍しくありません。

マーケティングフレームワークは、自分のまわりにいる人々の理解度を高める効果が期待できる手法。生のデータと言葉を組み合わせることで、周囲の人の行動を促すことができるようになります。周囲の理解が促進されることは、マーケティングに関する課題だけでなく仕事にまつわる全ての問題を解決するために欠かせないプロセス。

「一人ではできないけれど、周囲の人が関わることによって課題解決までに時間がかかってしまう」というマーケティングにありがちな悩みをなくすためにも、マーケティングフレームワークは重要な役割を担っているのです。

マーケティングフレームワークの種類

マーケティングフレームワークの種類

さまざまな種類がある、マーケティングフレームワーク。ここでは、代表的なものをいくつかピックアップしてご紹介します。

ロジスティック回帰分析

ロジスティック回帰分析は、YESNOかの答えを使いながらその事象の発生する確率を予測するための分析方法です。二択で分析結果を導き出していくため、結論は非常にシンプル。

特定の事象の発生率を求めることができるため、天気や自然災害の発生予測、医療の分野での病気発生率の分析にも活用されています。

クラスター分析

クラスター分析
クラスター分析は、異なる性質のものがいろいろ混ざり合ったデータから似ている特徴のあるグループ分けを行うことができる分析方法です。共通性があるもの同士のグループを「クラスター」と呼ぶことから、クラスター分析と名づけられています。

クラスター分析を行うことで膨大の量のデータから特徴や傾向を見出すことができるため、顧客の需要が反映しやすくなるのはもちろん、隠れたニーズやマーケットを見出すことも可能となります。

アソシエーション分析

アソシエーション分析
アソシエーション分析の「アソシエーション(Association)」は、連合関連性という意味を持つ言葉です。アソシエーション分析を使うことで、一見関連性のない項目から新たな関係性を見つけることができたり、類似性を発見したりすることができます。

しかし、手当たり次第に項目をピックアップした分析を行うと時間の浪費につながってしまうため、事前にきちんと仮設を立てておくことが大切です。

3C分析

3C分析
3C分析の3Cは、「Customer(顧客・市場)」・「Company(自社)」・「Competitor(競合他)」の頭文字を取ったもの。この三つの要素を柱として自社を取り巻く環境の調査を行い、業界内での自社の立ち位置を客観的に認識しながら、弱みと強みの両方を把握できるようになります。

また、Customer(顧客・市場)のニーズの把握もできることから、より具体的なマーケティング戦略が立てられます。

4C分析

4C分析
4C分析の4Cは、「Customer Value(顧客価値)」・「Cost(顧客にとっての経費)」・「Comvenience(利便性)」・「Communication(顧客対話)」の頭文字を取ったもの。この“4つのC”を分析することで、3C分析よりも一層深く顧客のニーズを把握できるようになります。

現時点でまだ具体的な商品やサービスが存在していない場合も、それに対する強みと弱みの把握が可能。顧客の視点に立って、自社の商品やサービスを分析する場合に活用できる手法です。

4P分析

4P分析
4P 分析の4Pは、「Product(製品・サービス)」・「Price(価格)」・「Place(流通)」・「Promotion(販売促進)」の頭文字を取ったもの。顧客側の視点に立って分析を行う4C分析に対し、4P分析は企業側の視点に立ち返って分析を行うことができる手法です。

4C分析の考え方とセットで活用することで、顧客側と企業側両方の視点を持つことが可能。マーケティングミックスを実施する上でも、欠かせない分析の一つです。

SWOT分析

SWOT分析
SWOT分析のSWOTは、「Strength(強み)」・「Weakness(弱み)」・「Opportunity(機会)」・「Threat(脅威)」の頭文字を取った言葉。「Strength(強み)」と「Weakness(弱み)」は内的要因であり、「Opportunity(機会)」・「Threat(脅威)」は外的要因であることから、自社の状況を客観的に把握するために向いているマーケティングフレームワークです。

自社の分析はもちろん、競合他社の分析も行なうことができるので、どのように強みを活かすのかやどのように脅威から身を守るのかについても立案・実行できるようになります。

5F分析

5F分析
5F分析は、「競合他社」・「新規参入企業の脅威」・「代替品の脅威」・「売り手の交渉力」・「顧客の力」の5つの要素を把握して、それぞれからの脅威や関係性を図るためのマーケティングフレームワークです。5F分析を活用して導き出された答えが強ければ強いほど、自社収益は低くなるという結果が導き出されます。

新規参入や事業の撤退、収益性の向上などの目的のために活用できる分析手法です。5F分析の結果は、SWOT分析を用いて外的要因の強みと弱みをより深く知ることができます。

PDCA

PDCA
「Plan(計画)」→「Do(実行)」→「Check(チェック)」→「Action(改善)」の一連の流れを表すPDCAは、目標の達成や計画の実行時に役立つマーケティングフレームワークです。ビジネスにおいて頻繁に使われる言葉であることから、意味を理解できている人も多いことでしょう。

PDCAサイクルを回し続けることで改善に向けた行動が持続されるため、生産性の向上やマーケティングの効率化などを長期的に図ることができるようになります。

5W1H

5W1H
5W1Hも社会人にとってなじみのあるワード。「When(いつ)」・「Where(どこで)」・「Who(誰が)」・「What(何を)」・「Why(なぜ)」・「How(どのように)」のそれぞれの単語の頭文字を取った言葉で、それぞれを意識しながら行動することによって指示の漏れや必要な情報の聞きこぼしを防ぐことができます。

実際に行動する場合の要点を抑えることができるようになるため、報・連・相の漏れが減少します。

まとめ

今回ご紹介したもの以外にも、さまざまな種類のマーケティングフレームワークが存在しています。自社理解のため、思考整理のため、データ分析のため、計画実行のためなど、フェーズに合わせて最適なマーケティングフレームワークを活用することが大切です。
 
マーケティングの場面において適切なフレームワークを活用できれば、仕事を進める上であらゆるメリットを実感できることは間違いありません。一つのマーケティングフレームワークを活用して効果が感じられない場合には、別のフレームワークに切り替えて考えてみるというのも一つの方法。自分なりに理解を深めて、マーケティングフレームワークを仕事の味方にしていきましょう。
 
また、研修会社のリスキルでは、マーケティングフレームワーク研修メニューもあり、自分自身だけではなくチームや会社のスキルの底上げも期待できます。大手コーヒーチェーン「スターバックス」のマーケティングフレームワークの事例を紹介しているので、合わせて参考にしてみてください。
マーケティングフレームワークの成功事例:スターバックスが示す戦略の鍵

Fabeee編集部

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こちらの記事はFabeee編集部が執筆しております。