投稿日 2024.01.23

最終更新日 2024.01.23

フォワーダー(forwarder)とは?業務内容や活用するメリットを分かりやすく解説

フォワーダー(forwarder)とは?業務内容や活用するメリットを分かりやすく解説

フォワーダー(forwarder)とは?

フォワーダー(forwarder)とは、荷主の代わりに貨物輸送を行う業者のことです。日本語の正式名称は「貨物利用運送事業者」です。フォワーダー自身は輸送手段を持たずに、荷主と運送事業者の間に立って運送手段の手配などを行います。輸入と輸出に関わるさまざまな業務を担うフォワーダーは、国際物流に欠かせない存在だといえるでしょう。

フォワーダーの業務内容

次にフォワーダーの主な業務内容について解説します。旅行業界で例えると、フォワーダーは旅行代理店のような存在です。さまざまな物流業者と荷主の間に立ち、円滑な国際輸送をサポートしてくれます。

国際輸送方法の選定・手配

フォワーダーの基本的な業務の一つは国際輸送方法の選定・手配です。船や飛行機といった運送手段の中から、荷主の希望や商材に合った輸送方法を選定して提案してくれます。航空輸送をメインに対応するフォワーダーはAir Freight Forwarder(エア・フレイト・フォワーダー)、海上輸送が得意な業者はNVOCC(エヌブイオーシーシー、Non-Vessel Operating Common Carrierの略)、複数の荷主の小口貨物を運ぶ混載業者はConsolidator(コンソリデーダー)と呼ばれています。

輸送関係書類の作成

海外輸送する場合は、専門性の高い書類をたくさん提出しなければいけません。運送契約書や保険関係の書類など、必要となる書類は多岐にわたります。全ての書類を正確に準備するなら、知識や経験が豊富なフォワーダーに任せるのが無難です。

通関業務

輸出入時に必要な通関手続きをサポートしてくれます。フォワーダー自身で通関業の許可を取得しているところもあれば、提携する通関業者に業務を依頼してくれるところもあります。

貨物の保管・梱包・配送業務

フォワーダーは、現地で貨物を一時的に保管する場所の確保や梱包作業、トラックの手配といった業務にも対応してくれます。商品を輸送した後の業務もまとめて依頼できます。

輸送中の保険の手配

輸送中の紛失や破損といったトラブルに備えて、適切な保険を手配してくれます。

乙仲と通関業者の違い

乙仲は「乙種海運仲立業」の略称で、戦前の海運組合法において定期船貨物の取り扱いを担っていました。1947年に海運組合法が廃止されたものの、今もなお業界では乙仲という言い回しは使われています。現在の乙仲は船の手配や手続きを代行する業者のことを指し、フォワーダーと異なり海に限定したサービスを提供しています。

一方、通関業者は、輸出入貨物の通関手続きに対応している企業のことです。税関から営業許可を得て、輸出入に関する通関業務を代理で担当します。通関業務は仕組みが複雑なので、通関業者のような専門家が代行するケースが少なくありません。

フォワーダーはあらゆる輸送手段を使った国際輸送に関する業務、乙仲は船限定の輸送、通関業者は税関に関わる業務など、基本的な役割が異なります。

フォワーダーの役割

フォワーダーは、国際物流のノウハウがない企業をサポートするのが役割です。国際輸送は複雑な書類手続きや法規制など問題が多いため、専門知識のない企業が全ての業務を対応するのは容易ではありません。グローバル化が急速に進むことで輸出入を行う企業が増えているものの、国際物流に手を出すとなるとコストも時間もかかるという課題が生じます。一般企業では難しい専門的な手続きや国際輸送を上手くサポートし、輸出入に取り組みやすい環境を整えるのがフォワーダーの大きな役割なのです。

フォワーダーを活用するメリット

フォワーダーを活用すると、どのようなメリットを得られるのでしょうか。

輸送手段を持たずに国際物流をスタートできる

初めて国際輸送を行う場合や新たな地域への海外進出を目指す場合、ノウハウがなくすぐに輸出入を行えないケースが多いでしょう。フォワーダーを活用すれば、自社で輸送手段を確保する必要がないため、物流システム構築のハードルが低くなるのでおすすめです。

海外輸送のトラブルやリスクを回避しやすくなる

海外へ貨物を輸送する場合、国内での輸送では考えられないトラブルが発生する可能性があります。海外輸送の経験やノウハウがあるフォワーダーは、よくあるトラブルを把握しているはず。なるべくトラブルやリスクを回避できるように、安全な輸送ルートを選定するといった被害を最小限に抑えられる方法で輸送してくれるでしょう。

物流コストの削減

フォワーダーを活用すると、物流コストを削減できる可能性もあります。貨物輸送には運送費や保管費など、さまざまなコストがかかります。自社で輸出入の管理を行うなら、国際物流に詳しい人材の採用や業務に必要なシステムの導入など、さらに追加コストが発生するでしょう。フォワーダーに物流業務を委託すれば、自社でリソースを確保する必要がなくなるため、社内で全ての業務を対応するよりコストが削減できるかもしれません。

複数の業者を比較検討できる

フォワーダーが取引している複数の輸送事業者を比較検討した上で、自社に合った輸送手段を確保できるというメリットもあります。それぞれの業者とやり取りしようと思うと、かなりの手間がかかります。しかし、フォワーダーを活用すれば、連携している運送事業者の中から効率よく自社に最適な業者を見つけることが可能です。

フォワーダーを選定するポイント

数多くのフォワーダーが存在しますが、それぞれ特徴や強みが異なります。フォワーダーの活用を検討しているなら、自社と相性の良い業者を選ぶことが大切です。

得意分野で選ぶ

フォワーダーを選ぶ際は、それぞれの得意分野に注目しましょう。フォワーダーによって、得意な商材や輸送エリアなどが異なります。例えば、冷蔵食品を輸出したい場合は、冷蔵貨物の輸送が得意な業者を選ぶと良いでしょう。アメリカへ自社の商品を輸出したいなら、欧米諸国への輸送実績が豊富なフォワーダーを選ぶのがおすすめです。依頼する前に業者の得意な商品や運送手段などを確認し、自社に合うフォワーダーなのか判断すると良いでしょう。

サービス内容で選ぶ

フォワーダーによって、貨物輸送以外に提供しているサービスの内容が異なります。自社の希望に合ったサービスを提供するフォワーダーを選びましょう。例えば、企業によっては、オーバーゲージ貨物の取り扱い有無が重要です。オーバーゲージ貨物とは、大きさや重量の超過により、特殊コンテナが必要な貨物のこと。通常の貨物とは取り扱い方が異なるので、フォワーダーによっては対応してもらえない可能性があります。また、専門書類の作成や通関業務など、自社で対応できない業務をカバーしてくれる業者を選ぶことも大切です。

海外拠点数で選ぶ

海外拠点数でフォワーダーを選ぶのも良いでしょう。海外拠点が多いと、海上封鎖などの思わぬトラブルが起こったとしても、迅速かつ適切に対応してもらえる可能性が高いです。日本人スタッフが常駐している海外拠点が多ければ、海外でもしっかりサポートを受けられるというメリットも考えられます。

運送事業者のネットワークで選ぶ

各フォワーダーは、それぞれ船会社や航空会社と輸送契約を結んでいます。運送事業者との連携が強い業者ほど、対応できる貨物量が多く輸送に関する柔軟な提案を受けられるでしょう。

Salesforceを活用して貨物の最新情報の連携を行った事例

Fabeee株式会社は、システムの構築だけでなく運用定着まで徹底的に伴走し、お客様のビジネス成長に貢献しています。実際の事例として、国際物流サービスのフライングフィッシュ株式会社との対談を通じて、Fabeeeの『バンソウDX』の思想や価値を解説します。フライングフィッシュ株式会社は国際物流サービスを提供し、2023年にSalesforceを導入しました。本稼働を開始してから約10ヶ月間、導入と定着支援の過程を振り返りました。
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この記事の監修者

阿部 雅文

阿部 雅文

コンサルタント

北海道大学法学部卒業。新卒でITベンチャー企業入社し、20代で新規事業の事業部長を経験。その後さらなる事業開発の経験を積むために、戦略コンサルティングファームにてスタートアップ企業からエンタープライズ企業のデジタルマーケティングや事業開発におけるコンサルティング業務に従事する。2021年5月にFabeeeにジョイン。DXコンサルタントとして大手メーカーや総合商社などを担当するほか、数多くのクライアントから指名を受け、各社の事業開発を支援中。多忙を極める中でも、丁寧で迅速な対応が顧客から高い評価を得ている。