海貨業務システムとは?主な機能やメリットを解説

2024.02.21

2024.02.21

DXのあるべき姿を考える

海貨業務システムとは?主な機能やメリットを解説

グローバルなサプライチェーンの構築が進む中、課題となっているのが海運業における業務効率化です。マネジメント関連のデスクワークは特に効率化の余地が大きいとされており、海貨業務システムの導入はその上で有効なシステムです。
 
この記事では、そんな海貨業務システムとはどんな機能を備えているのか、導入によって具体的にどんなメリットが得られるのかについて、順に解説します。

海貨業務システムとは

海貨業務システムとは

海貨業務システムは、その名の通り海運貨物取扱に関する業務を効率化するためのサービスです。例えば海を跨いだ輸出入に関する貿易書類の発行は、日常的に発生する海貨業務ですし、荷物を陸上げした後の陸送の手配も、海貨業務として対応しなければなりません。
 
海貨業務システムは、こういった海貨業務をまとめて引き受けることのできるサービスとして提供されており、通関業務や倉庫における作業の指示など、あらゆる管理業務をワンストップで引き受けることができます。
 
これまでは上記のような業務を別個に扱っていた場合でも、一括での管理を可能にして作業負荷を減らせることから、業務の規模が大きいほど導入効果の高いサービスと言えるでしょう。

海貨業務システムの導入メリット

海貨業務システムの導入メリット

海貨業務システムの導入によって、企業は以下のようなメリットを期待することができます。

生産性向上につながる

海貨業務システムは、業務全般を一元的に管理することができる、強力なサービスです。これまで別個に対応していた業務へ一つのシステムで対応し、手続きに伴う負担を解消するのに役立ちます。
 
頼もしいのは、業務上取り扱う情報を一つのデータベースに集約し、運用ができる点です。全ての情報をアナログやデジタルを問わず海貨業務システムで統合管理するので、必要な情報を必要な際にすぐ取り出して使えます。
 
データが統合されていない場合、あちこちのデータベースを参照しないと行けないケースも出てきますが、海貨業務システムがあればこのような事態を回避できます。

ヒューマンエラーを回避できる

業務効率の向上に合わせて、ヒューマンエラーのリスクも低減できるのが海貨業務システムの強みです。これまでの管理業務においては、データ入力や転記作業を人力で行う必要があり、その際の入力負担や確認負担、そして、ミスのリスクが発生してきました。
 
しかし海貨業務システムの導入によりデータを自動で一元管理できるようになることで、上記のような転記や入力の必要がなくなり、ケアレスミスをおかすリスクも小さくなるわけです。
 
もちろん、システムが何らかのエラーでミスをすることもありますが、基本的には人間が対応する場合よりもはるかにエラーのリスクを減らすことができるでしょう。

環境負荷の削減につながる

海貨業務システムは、環境負荷の削減という面でも高い導入効果を発揮します。大きな影響が現れるのは、ペーパーレスの実現です。
 
海貨業務システムの導入に際して、まず対応しなければならないのがアナログ業務のデジタル化です。紙媒体の使用を控え、デジタルのデータベースに移行しなければなりません。
 
結果、紙を用意する費用や印刷代、またそれらの利用の回避に伴うエネルギー削減効果によって、環境負荷を抑えることができます。

SDGsの達成は、多くの企業が業務効率化と合わせて目指しているミッションの一つです。海貨業務システムもまた、そんなミッション達成における重要な足掛かりとなるでしょう。

海貨業務システムの主な機能

海貨業務システムの主な機能
海貨業務システムは、上記のようなメリットを提供する上で以下のような機能をユーザーに提供しています。

NACCS連携

NACCSは船舶や飛行機が貨物を輸出入する際、税関での手続きや民間での手続きをオンラインで処理するためのシステムです。海貨業務システムはNACCSと連携して運用することができ、システム間での情報を共有することで、余計な二重手続きの発生などを回避することができます。
 
転記作業などを丸ごと削除することで、転記作業に伴う業務負担の削減、ヒューマンエラー発生の回避などを実現し、現場の生産性を大幅に向上します。

輸出入業務

海貨業務システムは、輸出入に関する一連の手続き全般を担当することができる製品です。台帳の登録やCLPデータの登録、許可通知の取り込みなど、あらゆる手続きをシステム上で実行できます。
 
これまで別個に対応していた業務も、海貨業務システムの導入によってまとめて対応することができるでしょう。

法令業務

各種法令業務においても、海貨業務システムが活躍します。各種検査申請の登録業務のような手続きは、細かな入力作業が発生する上別々の対応が求められますが、海貨業務システムではまとめて処理することが可能です。
 
ケアレスミスのリスクを最小限に抑えられるシステムなので、修正などに伴う再登録、再申請などが発生してしまうトラブルも回避しやすいでしょう。

普及している主な海貨業務システム

普及している主な海貨業務システム

海貨業務システムには複数のサービスが存在し、代表的な製品としては以下のようなものが挙げられます。

海貨業務システム(NTT)

NTTが提供する海貨業務システムは、海運業務をWebシステムから一元的に対応することのできるサービスです。クラウドで運用するWebシステムの特徴を活かし、データのユーザーの業務効率化はもちろん、必要な情報をいつでも共有できる環境を整備することで、荷主の業務効率化にも貢献します。
 
利用者間の情報共有を強化してコミュニケーション改善に努め、更なる関係強化を測ることができるでしょう。

NEFIOS(NEC)

NECのNEFIOSは、NACCSとの連携によって高度な業務の一元化を実現することができる海貨業務システムです。
 
従来の書面手続きをデジタル化してペーパーレスを推進できる機能に加え、AI-OCR機能、つまりAIを使って文章を読み込む技術を活用することで、より高レベルな生産性の向上に貢献します。
 
デジタルと紙媒体が混合する現場でも、確かな業務効率化につながる製品と言えます。

Forwarder-Pro(関西総合システム)

関西総合システムが開発・提供するForwarder-Proは、海貨業務に40年以上携わってきた実績と経験を活かした、現場の事情に精通するシステムを提供する製品です。
 
港湾物流業務に特化した製品開発を強みとしており、同業界におけるトップクラスの導入実績を誇っています。便利でカスタマイズしやすい帳票設計機能や、過去の入力データをもとにインプットをサポートする入力補助機能など、豊富な業務効率化につながるツールが揃っている製品です。

海貨業務システム導入の流れ

海貨業務システム導入の流

海貨業務システムの導入は、主に以下のプロセスで進めます。

自社課題の発見・分析

海貨業務システムの導入にあたっては、まず自社の課題を分析してどんな問題解決をすべきかを考える必要があります。
 
自社課題の分析が丁寧に行われていないと、せっかく導入する海貨業務システムも課題解決につながる機能が備わっていない可能性があり、期待しているような導入効果が得られないこともあるからです。
 
初めに課題分析を徹底し、その上でシステムの選定を進めましょう。

システムの選定・導入

自社課題が明らかになったら、それにあったシステムを選び、導入を進めます。自社だけでは適切なシステムがどれかを選びきれない場合、専門のコンサルタントなどにサポートを依頼することも有効です。
 
導入するシステムが決まったら、導入手続きに合わせて人員の研修教育にも時間を割きます。システムを使いこなせる従業員をあらかじめ確保しておくことで、導入後も円滑にシステムを使いこなすことができます。

効果測定と改善施策の検討

導入したシステムが正しく機能しているか、期待しているようなパフォーマンスが得られているかなどを継続的に確認する必要もあるでしょう。
 
適宜KPIを立てて進捗状況を確認し、目標達成に向けて効果が出ているのか、出ていないなら何が問題なのかを分析する時間も確保することで、より効果的なシステム運用が実現します。

まとめ

この記事では、海貨業務システムの概要や機能、導入のメリットなどについて解説しました。輸出入には多大な手続き申請業務が毎回発生しますが、これらの負担を大幅に削減してくれるのが海貨業務システムです。
 
システムの機能や強みを理解し、自社の課題に最適なシステムを選定・導入することで、強力な物流DXを推進することができるでしょう。

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この記事の監修者:阿部雅文

この記事の監修者:阿部雅文

Fabeee株式会社バンソウDX事業部 部長
戦略コンサルティングファームにてスタートアップ企業からエンタープライズ企業のデジタルマーケティングや事業開発におけるコンサルティング業務に従事する。

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