エクセルでもデータ分析はできる?「分析ツール」を賢く活用しよう

2021.10.29

2021.12.09

DXのあるべき姿を考える

業務の中でも使用する機会の多い、エクセル。表計算やグラフの作成に活用するものであるという認識を持っている人も、少なくないことでしょう。

実は、エクセルはデータ分析にも使えるツールであることをご存知でしたでしょうか?そこで今回は、エクセルのデータ分析機能「分析ツール」にスポットを当てて、ご紹介したいと思います。

エクセルの「分析ツール」とデータ分析の重要性について

エクセルの「分析ツール」とデータ分析の重要性について

データを収集・整理し、成型後必要なデータの取捨選択を行うことの総称として、「データ分析」という言葉があります。今や企業の成長に欠かせないデータ分析ですが、どれくらい重要な役割を果たすものなのでしょうか。

エクセルの“データ分析ツール”の基本情報と合わせて、データ分析の重要性について考えていきましょう。

エクセルの「分析ツール」とは

日々の業務の中でも、活用するシーンが多いであろうエクセル。数値の集計やグラフの作成に欠かせないエクセルですが、データは収集できても分析までは難しいと考えている人が少なくないことでしょう。しかし実は、エクセルでもデータ分析は可能。機能の一つである「分析ツール」を使うことで、使い慣れたエクセルでデータ分析まで行うことができるようになるのです。

分析ツールは、エクセルのアドインの一種。簡単なパラメータの入力やクリックを行うだけで、統計学的・工学的な分析を行うことができるツールです。通常は見えない状態になっているため、分析ツールを始めて使用する場合には分析ツールをまず表示させるところからのスタートとなります。

さまざまなデータ分析の種類が搭載されているため、データの容量がさほど大きくないものであれば、データ分析にエクセルを活用してみるのも一つの方法です。

データ分析の重要性は非常に高い

データ分析には、精度の高い現状分析や将来の予測が可能となったり、意思決定にかかる時間の短縮につながったりなどさまざまなメリットがあります。また、今まで見落としてきた問題点が明確になるなど、データを収集するだけでなく分析することで初めて見つかるものもあるのです。

企業の経営判断・マーケティングを行う上で、データ分析は今や必要不可欠な存在となっています。IT技術の進歩により、企業にとってのデータ分析の重要性も年々上昇しています。現時点でデータ分析を行っていない企業も、将来的に業務プロセスへの導入が必須になると言われるほど、企業にとってのデータ分析の重要性は高いと言えるのです。

「分析ツール」の基本的な使い方

「分析ツール」の基本的な使い方

エクセルの便利さを引き出すためには、関数やコードなどを入力する必要があります。しかし、分析ツールは関数もコードも入力の必要はありません。導入方法もそれほど難しいものではないので、基本的な使い方を知っておくと便利です。

分析ツールが表示されない?

エクセルを起動すると、ツールバーにさまざまな内容が表示されます。分析ツールを初めて使用する際は、おそらくその分析ツールの中から探す人がほとんどではないでしょうか。

実はエクセルの分析ツールは、非表示になっているケースがほとんど。まずは、エクセルの画面上に分析ツールを表示させることから始めなければいけません。

と言っても、手順は簡単。以下にWindowsの導入方法をまとめました。
1.エクセルを起動し、ファイルメニューをクリック。

2.左端のバーの最下部にある「オプション」をクリック

3.「アドイン」をクリック

4.「分析ツール」を選択後、管理のところにある「設定」をクリック

5.「分析ツール」にチェックを入れ、「OK」をクリック

6.エクセルを再起動

以上のステップを踏むことで、エクセルの画面上に分析ツールが表示されるようになります。

分析ツールの使用に必要なのは簡単な設定だけ

エクセルに分析ツールを表示させたら、実際に分析を行っていきましょう。データ分析を行うためには、まず分析の材料となるデータの用意が必要です。エクセルにデータが入力されれば、あとは必要に応じた分析ツールを選択してクリックするだけ。30秒もあれば分析が完了するため、使わない手はありません。

エクセルのデータから分析を開始するまでの、基本的な流れは以下の通りです。

1.元のデータを用意する

2.「データ」タブ内右端にある「データ分析」をクリック

3.行いたい分析を選択し、「OK」をクリック

4.必要事項をそれぞれ選択し、「OK」をクリック

エクセルの分析ツールは、以上の3ステップで利用可能となります。分析手法の種類によって必要事項の入力項目には違いが見られますが、関数やコードを入力する必要はありません。基本の使い方を覚えておけばどの分析手法も利用できるので、ぜひ活用してみてください。

「分析ツール」の種類と手法ごとの特徴

「分析ツール」の種類と手法ごとの特徴

分析ツールの基本的な使い方のところでも少し触れた通り、分析ツールでできる分析の手法は細かい分類を除けば全部で15種類あります。よく使われる分析手段の利用シーンとそれぞれの特徴について、一つずつ解説しましょう。

分散分析

分散分析とは、その名称の通り分散を使って平均値の分析を行う手段のこと。“水準”と“要因”を基に、それぞれに生まれる「ばらつき(分散)」の平均値を求めるための分析方法です。

この手法は、差があることに対する分析を行うときに活用することができます。エクセルの分析ツールでは、「一元配置」・「繰り返しのある二元配置」・「繰り返しのない二元配置」の分散分析が可能。要因が二つ以内である場合には、エクセルの分析ツールを使って分散分析を実行できます。効果的な要因を探したい場合に、活用できる分析手段です。

相関

相関は、データとデータの間にある関係性の強弱を分析するための分析手段です。一つのデータが増加したとき、もう一つのデータも増加すれば「正の相関がある」という判定になり、一つのデータが増加したとき、もう一つのデータが減少すれば「負の相関がある」という判定になります。データがそれぞれ別の動きを見せた場合には、「無相関」という判定に。データの関係性がこの三つのいずれに当てはまるのかを分析することが、相関の目的です。

データ同士の関係性を知ることで、それまで見えなかったような事実が見えてくるケースも珍しくありません。エクセルの分析ツール内にある相関では、2つのデータだけでなく複数列の相関係数を求めることも可能。散布図のグラフにして、視覚的に結果を見ることもできるようになります。

共分散

共分散では、二つの異なるデータの相関関係を調べることができます。一つ前にご紹介した「相関」との違いがわかりにくい分析手法ですが、共分散はそれぞれの関係性を、相関はそれぞれの関係性の違いの強弱を分析する手法であるため、実は違う結果を求めるための分析手法であるということを区別しておきましょう。

共分散で二つの異なるデータに相関性があるのかを求め、その相関性の強度がどれほどのものなのかを求めるときに相関を使うという流れになります。

基本統計量

基本統計量は、データ全体の全体像をつかみたいときに利用する分析手段です。データ分析を始めるにあたり、まずそのデータの“特性”を知りたいと考えるケースが少なくありません。このようなデータの特性を導き出す上でも、基本統計量が役立ちます。

基本統計量を使うことで、データの平均値や平均の精度、中央値、最頻値、標準偏差(データのばらつき)などの結果を導くことが可能。分析ツールでは新しいシートに一覧で結果が表示されるため、データ分析初心者でも見やすい仕様になっています。

指数平滑

指数平滑は、時系列のデータを基に将来値を予測するために使われる手法です。短期の予測に適した分析手法であり、在庫管理や株価の変動分析などで指数平滑の手法が活用されています。

新しいデータには大きな重みを置き、過去にさかのぼるほど小さな重みをかけることで、移動平均を算出する方法です。

F 検定

F検定は、分散(二つのデータのばらつき)が等しいかどうかを調べるための検定です。F検定は、後ほどご紹介するT検定とセットで認識されているケースがほとんど。その理由は、等分散か等分散でないかによって検定の種類が変わるt検定を実施するために、まずF検定でそもそも等分散であるかそうでないかを確認するからです。

しかし現在は、t検定時にF検定を実施しないという考えも増えています。一方で、分散分布の分析など、F検定単体で使用されるケースもあります。F検定自体は通常、正規分布しているデータに対して使われることが前提となることを頭に入れておきましょう。

ヒストグラム

ヒストグラムは、どの層に値が密集しているかが一目で見てわかるグラフのことです。

分析ツールの必要事項入力画面上でデータの範囲を指定するだけで、上記の写真のようなグラフを簡単に作ることができます。

縦軸が度数、横軸が階級となっており、データの数値に合わせて柱上のグラフが表示されます。階級の数を決めるときに活用されるグラフですが、階級の幅が大きすぎたり小さすぎたりすると使えないので注意が必要です。

移動平均

移動平均は、長期的な傾向の見極めに活用できる分析手段です。短期的に見ると売上が落ち込んでいるように見えても、長期的に見れば売上が伸びていたというケースも珍しくありません。移動平均は、その事実を確かめるために利用する分析手段です。

移動平均を使えば、実測値だけではわからない事実がグラフとなって現れ、それまで気づかなかったデータの動きをしっかりと見つめられるようになります。

回帰分析

回帰分析は、売上に結び付いている要因を推測するために使われる分析手段です。店舗の売り上げには、駅から店舗までの距離や席数、天気など、影響を与える要因が複数あります。回帰分析は、それぞれの要因がどれくらいの影響力を持っているのかを調べるときに活用します。

売上だけでなく、さまざまな要因からの家賃の予測などにも活用可能。どういったプロモーションに力を入れるべきかという課題を解決するためにも役立つ分析手段です。

t検定

t検定は、“母平均に対する検定”と言われている検定です。「平均の差」に対する問を解決するために使う分析手段で、例年との違いや平均点数の差などを導き出すことができます。

仮説検定の中でもt検定は、母集団がどのような分散になるのか未知の場合に使われる方法。母集団の分散がわからないケースは少なくないため、さまざまな現場で活用されています。少ない事例で母集団の分散を算出することも可能です。

z検定

z検定は、先ほど解説したt検定とほぼ同じような検定ですが、大きく違うのは、「母集団がどのような分散になるのか“既知”の場合に使われる」というところです。t検定の場合は母集団の分散が未知の場合に使うことができましたが、z検定は母集団が既知の場合にのみ使うことができます。

しかし、母集団が既知であるケースは稀であるため、z検定の使用頻度も低め。t検定と合わせて、エクセルの分析ツール内にあるということだけでも知っておくといいでしょう。

エクセルの分析ツールでは、上記でご紹介した分析手段以外にも、フーリエ解析、乱数発生、順位と百分位数、サンプリングなどの分析を行うことができます。

まとめ

エクセルの分析ツールでは、相関分析や回帰分析などの分析手法がサポートされているため、基本的な分析に関してはエクセルでカバーできると言えるでしょう。長期的な運用を見込まないケースや、分析ツール内にある分析手法で事足りる場合、また10万行以下のデータの場合などは、エクセルを活用してみるのも一つの方法です。

まずは一度エクセルの分析ツールを表示させて、実際に希望の分析ができるのかどうかを試してみてください。

Fabeee編集部

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こちらの記事はFabeee編集部が執筆しております。