投稿日 2021.11.30

最終更新日 2021.11.30

DX推進とRPA活用をわかりやすく解説

DX推進を推進する上で業務効率化という観点でRPAを導入する企業は多いでしょう。
RPAはどのような業務で利用されるのか、またDX推進との関係性を見ていきながら詳しくわかりやすく解説します。

RPAとは

RPAとは(Robotic Process Automation)の略称で、PC上で行なっている作業をロボットで自動化する技術です。具体的には、RPAはPCやクラウド上で動くソフトウェアでデータの入力など単純作業を自動化ができます。RPAは単純作業を記憶させて稼働させるだけなので実装も比較的容易で、稼働に関しても24時間体制で業務外でも稼働できます。
単純作業も正確に実行できるためヒューマンエラーもなくなり、その作業をしていた人員を別の業務に当てることができるので業務効率と品質改善にもつながり会社の生産性を向上できます。少子高齢化による人材不足を補う手段としても期待されています。
社内の業務プロセスの見直しを計り、作業時間、工数が掛かっている定型作業に関してはRPAを導入していくといいでしょう。

RPAを活用できる業務


実際の業務ではどのように活用しているのかを説明していきます。

データの入力やアップロード

基幹システム、ウェブサイト、アプリケーションなどへのデータ入力を自動化することができます。既存システムへの情報のアップロードも可能です。

データの転記

システム間のデータのやり取りを自動化することができます。
手動で転記していた基幹システムやウェブサイトの管理画面、アプリケーションへのデータ入力を自動化が可能です。

情報収集(スクレイピング)

ネット上から検索をしてリサーチ業務をする方や企業情報など収集してアタックリストなどを作成ができます。これらの業務も自動化して欲しい情報を集めリストすることができます。例えば求人情報の収集、イベント情報、プレスリリース、競合会社情報や得意先の情報をRPA活用することにより自動でリストや資料作成することができます。

システム連携・アプリ連携

例えば会計システムと自社基幹システムで別のシステム使っている場合でも
RPAを活用することで連携できることが多いです。
それにより手作業で行なっている作業が大幅に削減できます。
新たにシステムを構築するより安上がりでスピーディーにパフォーマンスが出せます。

データ照合、チェック

購入された注文の支払いチェックや不正などをデータ照合して通知など
チェック業務など自動化することができます。
読み取ったデータのチェック・補正は手作業の場合大幅に時間が削減できます。

資料作成・送付

データベースや基幹システムなどの情報などを資料に自動転記して作成ができます。
また決まった宛先へのメール送信送付も自動化できます。

RPAでDX推進を底上げする


RPAを導入して作業をデジタル化することによってDX推進をしていると解釈されやすいですが、
少し違います。DXとはデジタル技術駆使して顧客に対して新たな価値を創出することです。
RPAでは部門単位・業務単位での業務プロセス変革や体制の変革など、
「守りのDX」と呼ばれる部分で貢献できますが、
「守りのDX」だけでは本来のDXを実現することはできません。
RPA導入でDX推進を底上げすることはできます。定型化している業務を洗い出し、
自動化することでその業務を行なっていた人員を
既存または新規ビジネスの高付加価値の商品・サービス業務に当てることができます。
顧客に対して新たな価値を創出する可能性を底上げすることができます。

RPAを導入することで得られる効果

定型業務の効率化

一番の効果は定型業務の効率化です。
これまで人が作業していた業務をロボットが代わりに作業することができるからです。
ロボットが作業することで正確かつスピーディーに業務を遂行してくれます。
業務時間外でも作業が可能で24時間作業できるのも強みです。
また単純な定型作業だけではなく、カスタマイズ次第ではより多くの業務がカバーできます。自社のシステム連携やOCRの活用で今まで自動化できなかった業務も自動化できる可能性があります。

業務内容を可視化

RPAを導入する前に業務プロセスの確認・見直しをいたします。
現状を把握して問題点を洗い出し、その改善策も見つけやすくなります。
事例としては今まで行なっていた業務自体が不要でその業務をなくし業務プロセス改善につながることが多々あります。

RPAを活用した事例

<旭シンクロテック>

図面上のデータで配管施工業務の進捗管理の進捗表の自動化を実施しました。
進捗表をCSV化、データをコード変換して進捗表に読み込ませることにより自動化し大幅な工数削減に成功しました。
また膨大な請求書をデータ化、そのデータを活用し会計システムに自動登録を実装し請求書関連業務を1カ月におよそ100時間程度効率化しています。

<ディップ株式会社>

RPAを利用してスタートアップ企業へのインタビューを自動で記事化するシステムを導入、インタビュー記事作成にかかる時間の約9割を削減に成功しています。

<三菱東京UFJ銀行>

定期的に社内システムのデータチェック、エクセルへのコピーなど様々な事務処理業務、約20種類をRPAで自動化しました。
その結果、8000時間分の事務処理作業を削減する成果を得ています。

<東京都>

東京都は庁内5局の29業務にRPAを適用したところ、
平均で66.8%、最大で100%、業務時間を削減した。
各対象業務の年間縮減時間は合計438時間(見込)になるようです。

RPAによる守りのDXの進め方

デジタイゼーションで業務プロセスの改善

デジタル導入ありきの業務プロセスの改善
レガシーシステムの脱却を中心に紙書類、資料や伝票のやり取りなど電子化してデータとして保有する。
組織全体に業務プロセスを定着させる。

RPAによる業務の自動化、保有しているデータの活用

デジタル化した業務の中で定型化されている作業はRPAにより自動化で業務効率改善を計る。またデジタル化したことによりデータが保有され、そのデータを利活用。
これによりビジネスの見える化で現状の把握、課題点などが見つかります。

まとめ

働き方改革で業務効率化が浸透するなかで導入しやすいRPAについて説明いたしました。
大企業から中小企業まで多くの企業がRPAを導入して大きな成果を得ております。まだ導入してない企業は検討してみてはいかがでしょうか。
DX推進のための業務効率化や品質改善の役割も担っています。

この記事の監修者

阿部 雅文

阿部 雅文

コンサルタント

北海道大学法学部卒業。新卒でITベンチャー企業入社し、20代で新規事業の事業部長を経験。その後さらなる事業開発の経験を積むために、戦略コンサルティングファームにてスタートアップ企業からエンタープライズ企業のデジタルマーケティングや事業開発におけるコンサルティング業務に従事する。2021年5月にFabeeeにジョイン。DXコンサルタントとして大手メーカーや総合商社などを担当するほか、数多くのクライアントから指名を受け、各社の事業開発を支援中。多忙を極める中でも、丁寧で迅速な対応が顧客から高い評価を得ている。