投稿日 2022.01.28

最終更新日 2022.01.28

DX推進の参考に!「DX推進ガイドライン」が作成された背景やその内容に注目してみよう

企業のDX推進が加速する今、改めて確認しておきたいのが経済産業省によって作成された「DX推進ガイドライン」。DXを進める上での経営のあり方やシステムの構築について触れられているため、DXに着手する際には目を通しておくべき資料であると言えます。

そこで今回は、DX推進ガイドラインが作成された背景やその内容にスポットを当てて解説。DXに着手する前に、しっかりと確認しておきましょう。
 
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DX推進ガイドラインとは?

DX推進ガイドラインとは?
出典:デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX 推進ガイドライン)Ver. 1.0

スウェーデン・ウメオ大学のエリック・ストルターマン教授によって提唱されたDX(デジタルトランスフォーメーション)。広義的には、ITの浸透によって人々の生活をさまざまな面で良い方向へと変換させるという意味を持つ言葉ですが、日本では経済産業省が「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX 推進ガイドライン)Ver. 1.0」(以下、DX推進ガイドライン)にて定義を定めています。

DX 推進ガイドラインは、2018年に経済産業省によって策定されました。DXの定義からDX実現のために必要なITシステムの構築についてまで、DXに関して経営者が知っておくべき事柄を記載した文書として活用されています。

DX推進ガイドラインが作成されるに至った背景について

DX推進ガイドラインが作成されるに至った背景について
DX推進ガイドラインが作成されるに至った背景を語る上で、避けて通れないのが「2025年の崖」と呼ばれる問題。過去記事でも2025年の崖については何度も触れていますが、日本経済の未来をつないでいくためにはこの2025年の崖の回避が不可欠です。

経済産業省では、「デジタルトランスフォーメーションに向けた研究会」2018年5月に設置。この研究会にて、DXの実現によって解決すべき課題やその課題に向けた対応策を議論し、その報告書として「DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」を公表しました。

報告書にて、DXを実現する上で必要なアクションやアプローチの共通認識を図るため、ガイドラインの作成が必要であるという指摘が出たことから、DX推進ガイドラインの作成へとつながっていったのです。2025年の崖を回避するには、レガシーシステムや今のビジネスのやり方からの脱却が必要。

DX推進ガイドラインは、2025年の崖回避のための希望の道筋として活用されているのです。

DX推進ガイドラインの構成と内容

DX推進ガイドラインの構成と内容

DX推進ガイドラインの総ページ数は、計9ページ。どのような構成、内容で作成されているのでしょうか。確認していきましょう。

大きく分けて二つの構成から成り立っている

DX推進ガイドラインは、
①「DX推進のための経営のあり方、仕組み」
②「DXを実現する上で基盤となるITシステムの構築」
という二つのテーマで構成されています。
 
①「DX推進のための経営のあり方、仕組み」では、経営戦略やDX推進に向けた体制整備、DXで実現すべきものなど、主にDX推進のために必要なマインドの変化や、備えておくべき体制などについて解説。DXを推進する上で、経営者はどのような準備をしておかなければいけないのかということが学べるため、これからDXに取り組もうとする経営者にとっては大きなヒントとなる章です。
 
②「DXを実現する上で基盤となるITシステムの構築」では、DXの実現に欠かせないITシステムを構築するための体制や仕組み、実行プロセスについて解説。社内全体においてITシステムを構築するための体制やその先行事例、ITシステム構築のためのガバナンスや失敗事例、IT資産の分析と評価など、DXに必要なITシステムをどう構築していくのかというところを調べることができます。

DXは、まず経営者の考え方を変えていくことから始めなければいけません。DX推進ガイドラインには、マインドを変えることの大切さやその後どう動いていけばいいのか、そのあたりの疑問を解決するためのヒントが詰まっています。

DX推進ガイドラインから学ぶおさえておくべきポイント

DX推進ガイドラインから学ぶおさえておくべきポイント

DX推進ガイドラインには、主に経営者に向けてのメッセージが込められています。DXを推進する上での道筋となるDX推進ガイドラインからは、学ぶべきものがたくさんあることでしょう。

ガイドラインに沿ってDXを進めていくためには、ポイントをきちんと頭に入れることが大切。おさえておくべきポイントを、整理しておきましょう。

経営者の意識を改革してビジョンを明確にする

先ほどもお伝えした通り、DXの推進には経営者自身の意識の改革が欠かせません。DXは、今までの企業の形を一新すると言っても過言ではないほど、大きな変革を伴うものです。そのため、現場責任者や現場社員にもDX推進のための強力を仰がなければいけません。

経営者自身の意識が改革されないままDXを進めようとすると、どうしても現場任せになってしまい、頓挫してしまうことは明確。従業員全員でDXの実現を目指すには、DX推進ガイドラインにも書かれている通り経営者自身が意識を改革し、企業としてのビジョンを明確にしておくことが大切です。

人材確保や投資などの体制整備

企業のビジョンやDXの目的が明確になれば、いよいよDXに取り組んでいくこととなります。しかしその前に、DXに取り組むための体制を整えておかなければなりません。

DXに取り組むための体制と言っても、その項目はさまざま。システム的なところはもちろん、DX推進のために必要となる人材の確保も行なわなければならないため、労力を要する作業であると言えます。

しかし、一度体制が整えば、その後のPDCAのサイクルは回しやすくなります。DXは、一つの項目が終わりと言うわけではなく、失敗しても仮設→検証の流れを繰り返していかなければならないのです。

そのためにも、人材の確保から設備に対する投資、迅速に実行するための権限譲渡など、DX推進を阻害しないよう体制を整えておくことが大切です。

一貫したシステムの構築

2025年の崖の要因にもなっている、日本企業のレガシーシステム。DX進める上で、システム同士の連携は大前提となりますが、今の日本企業はブラックボックス化したシステムを有するケースが多く、一貫したシステムの構築が行えていないところがほとんどです。

しかし、レガシーシステムを使い続けると、システム同士の連携が取れずDX推進の障害となってしまいます。システム面での連携が取れなければ、統制や管理なども機能しない状態となるため、今あるシステムの課題の把握や課題の解決が可能なのかどうかもしかりと見極めておかなければいけません。

過去記事にてご紹介したDXの事例

過去記事にてご紹介したDXの事例

弊社では過去に、さまざまな業種のDX事例を取り上げ紹介してきました。DX推進ガイドラインと合わせて業種ごとのDX事例を確認し、よりリアルにDXのイメージを膨らませてみましょう。

過去記事のリンクをご紹介しますので、自社の業種に近いものを選んで参考にしてみてください。

・電力業界のDX
「電力業界のDXは今どうなっている?取り組み内容や成功事例を紹介」

・医療分野のDX
「医療分野にも求められるDX!業界の現状や課題と合わせて成功事例も紹介」

・小売業界のDX
「小売業においてDXはどのような役割を果たすのか?業界内の課題と実際の事例も合わせて解説」

・物流業界のDX
「「物流DX」とは?DXによって物流業界の課題を克服した成功事例も紹介」

・製造業界のDX
「製造業においてなぜDXが提唱されるのか?業界内の課題とDX成功事例を紹介」

・金融業界のDX
「金融業界のDXは遅れている?業界全体の課題解決に求められるDXとは」

・アパレル業界のDX
「アパレル業界にも届くDXの波!業界内で生き残るために必要な取り組みとは?」

・行政のDX
「行政DXが人々の暮らしを変える!今ある課題の解決に向け実施すべき取り組みとは」

・不動産業界のDX
「不動産業界においても急がれているDX!業界内の現状と課題に立ち向かう術とは?」

・建設業界のDX
「建設DXとは、建設業界の現状の課題やDXの取組みを解説」

まとめ

DXに取り組むためには、企業としてはもちろん経営者自身にも準備が必要です。DX推進ガイドラインには、システムなど環境面での解説だけでなく経営者のマインドに関する部分についても記述があるので、ぜひDXの参考にしてみてください。

この記事の監修者

阿部 雅文

阿部 雅文

コンサルタント

北海道大学法学部卒業。新卒でITベンチャー企業入社し、20代で新規事業の事業部長を経験。その後さらなる事業開発の経験を積むために、戦略コンサルティングファームにてスタートアップ企業からエンタープライズ企業のデジタルマーケティングや事業開発におけるコンサルティング業務に従事する。2021年5月にFabeeeにジョイン。DXコンサルタントとして大手メーカーや総合商社などを担当するほか、数多くのクライアントから指名を受け、各社の事業開発を支援中。多忙を極める中でも、丁寧で迅速な対応が顧客から高い評価を得ている。