なぜデータ活用が求められているのか?メリットや活用事例からその必要性を解説

2021.10.06

2021.10.06

DXのあるべき姿を考える


IT技術が進歩し、スマホやタブレットを一人一台以上持つのが当たり前になった今、ビジネスの世界においてもデジタル化の波が加速しています。その中で、重要な役割を担っているのが他でもない「データ」。今ある企業の課題を解決するためにも、これから新たな道を切り開いていくためにも、企業が持つデータは大きな役割を果たしてくれます。

そこで今回は、データを活用することのメリットやデータ活用の推進方法などについて解説。“宝の持ち腐れ”にならないためにも、データ活用の基本について学んでおきましょう。

データ活用とは

データ活用とは
「データ活用」とは、収支のデータや取引のデータ、顧客データ、従業員データなど、企業に蓄積されたデータを使ってビジネスを成功へと導いていく過程のことです。企業が積み上げてきたデータはアナログであろうとビジネスであろうと“データ”として扱い、日常業務においてこれらのデータを“継続的に”活用していきます。

では、なぜ今これほどまでにデータ活用の必要性が訴えられているのか。その理由を確認していきましょう。

IT技術の進歩によって、データ活用を行う企業が増えてきました。総務省が2020年に実施した「デジタルデータの経済的価値の計測と活用の現状に関する調査研究」によると、データを活用している企業は日本にある全企業の半数を超えているという結果に。ビッグデータを保有し、IT人材を確保している大企業はもちろん、中小企業もデータを活用しながら組織改革や新たなサービスの改革に取り組んでいることがわかります。

企業に蓄積されている“データ”と呼ばれているものには、数字や記号などの事実のみが記載されています。相関関係などが記載されているわけではありませんが、データに表れている“事実”には、ビジネスを成功へと導くための大きなヒントがたくさん隠されているのです。

デジタルシフトが進み、現在はインターネットを介してさまざまな場所でデータが集計されています。ネットから得られるSNSのユーザーデータやECサイトの行動・購入履歴、動画の視聴データなどは、人々の暮らしをそのまま反映しているデータです。企業にとってもこのようなデータは、新たな視点を持つきっかけになることは間違いありません。

今後5Gが浸透するなど、さらに加速していくと考えられるデジタルシフト。これからの時代を生き残るためにも、データ活用はマストであると言えます。

企業がデータを活用するメリット

企業がデータを活用するメリット
ビジネスを発展させる上で欠かせないデータ活用。では、データ活用を行うことは、企業にどのようなメリットをもたらすのでしょうか。

短期間で現状把握ができる

データ活用の大きなメリットとしてまず挙げたいのが、“現状把握”についてです。先ほどもお伝えしたとおり、データには事実が記載されています。企業の現状を把握するためには、他でもないこの“事実”が必要です。

例えば、企業の売上が落ち込んでしまったとき、売上回復のためには「なぜ売上が落ち込んだのか」という原因を突き止めなければいけません。しかし、その原因究明に時間を要してしまっては、対応が遅れてしまいます。

そこで活用したいのが、他でもない“データ”です。データから得られる情報をグラフや数値などに変換して「見える化」することで、迅速に現状把握を行うことができ、原因究明へとつながっていきます。

勘や経験値など不確定なものさしで現状を計るのではなく、データという事実で現状を見ることは、的確に現状把握をするためにも重要です。

新たなビジネスの立案

新たなビジネスを立案するためには、土台となる材料が必要となります。データには、新しいビジネスを立案する際の大きなヒントが多く隠されているため、新たな戦略を生み出すための土台としても活用できるのです。

データを活用するということは、さまざまな視点から事実と向き合うということ。一つのデータだけでなく複数のデータを組み合わせることで見えてくる事例もあります。新たな消費者のニーズから、新しい商品が生まれることも。新たなビジネスの立案をする上でやらなければならないDX(デジタルトランスフォーメーション)を実施するにはデータ活用は重要な要素となっております。
■DX(デジタルトランスフォーメーション)に関する記事はこちら
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?課題や事例をもとにイロハを解説

企業の課題を分析するためだけでなく、新たな戦略を立てたいと考えている企業にとってもデータ活用はメリットがあると言えます。

根拠に基づいた意思決定ができる

ビジネスにおいての意志決定は、なによりスピードが問われます。しかし、個人の感覚や経験によって意思決定を行おうとすると、その感覚を周囲に共有するまでに時間がかかってしまい、結果的に意思決定までのスピードが遅くなってしまいかねません。

データには事実が並んでいるため、根拠に基づいて意思決定を行うことができます。意思決定の際にデータを活用すれば、具体的な情報を基に意志決定が行えるため、周囲と認識が共有しやすくなる上に将来的にも検証が行いやすくなるというメリットが生まれるのです。

データ活用事例

データ活用事例
デジタル化が進む昨今、さまざまな業種においてデジタル活用がなされています。代表的な事例を見ていきましょう。

製造業

製造業は“モノのインターネット”であるIoTが加速しており、データ活用も積極的に行なわれています。製造業において、データは品質管理や業務効率向上のために活用されるのが一般的です。

IoTが導入されているとは言え、その根底にあるのは技術者たちのノウハウ。このノウハウをデータにして蓄積し、活用していくことで稼働状況や商品、製造の管理を正確に行なうことができるようになっています。

小売業

小売業では、商品の需要予測や新たな商品・ビジネス開発のためにデータが活用されています。この業界で活用されるのは、顧客データ、売上データ、商品の陳列データ、従業員の行動データ、防犯カメラのデータ、気象データなど多岐に渡ります。

データを活用することで市場予測の精度が高まるため、効果的にマーケティング施策が行えるようになるのです。

金融業

金融業では、マーケティング業務や顧客に対する資産運用アドバイスなどの場面でデータを活用しています。データを取り扱い始めた時期が早く、データ活用に関するノウハウが多く蓄積されている業界です。

各支店の情報を一元管理し、顧客への対応スピードをアップさせるなど、データを活用しながら顧客満足度のアップにも努めています。

活用できるデータの例


企業にはさまざまな種類のデータが日々蓄積されています。データをうまく活用するためには、課題解決や新たなビジネスの創出に役立つデータを見極めなければいけません。

では、活用できるデータとは一体どのようなもののことなのでしょうか。部門別に活用できるデータの例をピックアップしました。

営業

<顧客データ>…年齢・性別・居住地などの情報

<売上データ>…商品別・販売地域別・営業所別の売り上げに関する情報

<商談データ>…回数・件数・会話内容などの情報

製造

<製品データ>…生産数・作業工数・原価率などの情報

マーケティング

<広告データ>…ネット広告からの流入数・広告に関するコスト・メールマガジンに対する反応などの情報

<顧客データ>…年齢・性別・居住地などの情報

<イベントデータ>…アンケートの集計結果・集客数などの情報

人事

<社員データ>…社員名簿・勤怠・給与などの情報

<求人データ>…応募者数・応募者の属性・求人にかかるコストなどの情報

製造

<製品データ>…生産数・原価率・作業工数などの情報

カスタマーサポート

<問い合わせデータ>…問い合わせ内容・件数・対応時間などの情報

データ活用成功事例3選

データ活用成功事例3選
では次に、実際にデータ活用を行って成功した事例を見ていきましょう。

ナイキジャパン:アプリのカスタマーデータを活用

スポーツ用品を手掛ける株式会社ナイキジャパンでは、自社アプリである「NIKEアプリ」のカスタマーデータを活用し、新たなサービスの形を生み出しました。NIKEアプリでは、利用者が初めてアプリを使う際に自身の好みや興味・関心があるジャンルにチェックを入れるような仕組みになっています。

利用者自身によって入力されたカスタマーデータを基に、アプリ上に表示させる内容をカスタマイズ。利用者の好みや興味に合う商品を表示させるようにしただけでなく、ライフスタイルに合う情報なども提供し、利用するたびに使い心地がアップするようなアプリとして活用されています。

ワークマン:Excelを使ったデータ活用で発注の業務効率をアップ

作業着メーカーからファストファッションブランドへと大変身を遂げた株式会社ワークマンでは、商品データやカスタマーデータを活用。徹底したデジタル化を行うワークマンですが、AIなどを取り入れるのではなく全従業員が慣れ親しんでいる“Excel”を使いながら、データ活用を進めました。

Excelを使ったデータ活用で、これまで2時間かかっていた発送作業を、“一括発送ボタン”を使うことで10秒にまで短縮し大幅な業務効率化に成功。社員全員が必要なデータを自身でダウンロードし、関数を用いながら検証を行える土台を作ったことが、ワークマンのデータ活用を成功に導いた秘訣だと言えます。

Panasonic:営業データの活用・分析で時間と人手のコストを削減

家電機器メーカーのパナソニック株式会社では、子会社であるパナソニックインフォメーションシステムズによって「eセールスマネージャー」という営業データ分析ツールを導入し、営業データを活用することに成功。

このシステムの導入以前は、案件状況や見込み状況の把握がうまくなされていなかったり、顧客情報の管理がうまく行っていなかったりという課題が見受けられました。システムの導入後は、プレイングマネージャーの活動を支える仕組みができたり、蓄積されてきた営業ノウハウが共有できるようになったりと、課題の解決に向けて大きく前進。

結果的に時間と人手にかかるコストの削減につながり、生産性の向上に直結しています。

データ活用を推進する方法

データ活用を推進する方法
企業にとって大きなメリットをもたらすデータ活用ですが、実際に着手するとなればどのような方法で進めていけばいいのでしょうか。ポイントをまとめました。

経営層自身がまずデータを活用する

企業内でデータ活用を進めていくためには、企業の中心となる経営層自身がデータ活用の必要性を知っておかなければいけません。また、データ活用のために社内の舵を切っていくためには、経営層の推進力が必要不可欠です。

データ活用を推進するためには、まず経営層がデータ活用の戦略に積極的に参加することから始めましょう。データ活用の必要性は高い一方で緊急性は低いため、つい後回しにしてしまいがちです。そのため、強力な推進力が求められるのです。

データ活用推進のスタートダッシュを切り、その後も推進力を衰えさせないためには、経営層自身の意識改革が必要だと言えます。

信頼性のあるデータを用意

データ活用を進めるためには、組織の意思統一が大切です。しかし、データそのものの信頼度が低ければ、なかなか全員が同じ方向を向くことは難しいでしょう。

データ活用を推進するためには、「社内のデータは信頼できるものであり、業務にも使えるものである」という認識を持ってもらわなければいけません。そのためにも、使用するデータの数値に誤りがあったり、表記が統一されていなかったりということのないように準備しておきましょう。

データ活用の専任スタッフを確保・配置

データ活用は短期間で終わるわけではなく、長期間に及びます。そのため、データの扱いに関する専門的な知識を持つ人材を配置し、継続してデータ活用に取り組んでいかなければいけません。

データ活用のプロジェクトを円滑に進めていくためだけでなく、専門の人材を配置するということは、会社のデータ活用に対する本気度の表れにもなるため、企業内の意識統一にも一石を投じることができます。

データ活用推進のためのチームを結成する

データ活用を推進するためには、チームを組んでデータ活用に専任できる環境を作ることも大切です。データ活用の専門チームは、データ活用を推進することに専念することとなります。

チームを結成することで、途中離脱の可能性を下げることにもつながり、ノウハウや経験も徐々に蓄積されていくことでしょう。データ活用のチームを組んで組織として存在させることは、データ活用推進のスピードをアップさせるためにも欠かせません。

まとめ

会社の規模や業種などに関係なく、これからの時代はデータをいかに活用するのかということが大切です。弊社でも、小売業に特化したデータ活用・分析サービスを提供し、企業のデータ活用のお手伝いをさせていただいております。
DATA CAPITAL for Retail

データをうまく活用したいと考えている企業の方は、まず一歩踏み出してみてください。

Fabeee編集部

Fabeee編集部

こちらの記事はFabeee編集部が執筆しております。