Tableau(タブロー)の特徴が知りたい!その特徴や活用方法、料金体系を紹介

2021.11.10

2022.07.07

DXのあるべき姿を考える

意思決定のためのビッグデータ活用が当たり前になった今の企業にとって、なくてはならない存在となっているBIツール。Excelでの管理から、BIツールでのデータ管理・分析を行う企業が増えています。

今回は、BIツールの中でも人気の高い「Tableau(タブロー)」について解説。その特徴や活用事例、導入の際の料金体系などについてご紹介します。

BIツールの中でもトップの人気を誇る「Tableau(タブロー)」とは

まずは、「Tableau(タブロー)」という言葉になじみがない人に向けて、「Tableauとは何か?」という基本的なところから解説していきましょう。

Tableauは世界中の企業で活用されているBIツール

Tableauは、2003年にアメリカで設立された「Tableau Software(タブローソフトウエア)」が開発したBIツールです。2014年には日本での製品販売・サポートのため「Tableau Japan株式会社」が設立され、日本国内の企業にもTableauの存在が広まっていきました。

2019年には顧客情報管理を行う企業であるアメリカの「株式会社セールスフォース・ドットコム」によって買収されましたが、Tableau自身のミッションは変わらぬまま存在。現在では、NPO法人からグローバル企業まで世界中のあらゆる企業において活用され、TableauはBIツールの中でも非常に名の知れた存在へと成長を遂げています。

 
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充実の機能が搭載されている「Tableau(タブロー)」の特徴

データ活用を行う上で、非常に心強い存在となるBIツール。ビッグデータの活用が当たり前になった今、さまざまな特徴を持つBIツールが開発されています。

世界中で活用されているTableauには、どのような特徴があるのでしょうか?いくつかポイントをピックアップして、ご紹介します。

直感的な操作とわかりやすいビジュアル

Tableauは、なんといってもその使いやすさが魅力。BIツールに対して「使い方が難しい」という印象を抱いている人も多いですが、Tableauはドラッグ&ドロップの直感的な操作が可能で、プログラミングの知識なしでも素早く使いこなせるという特徴があります。

また、Tableauはチャートタイプの種類が多く、データの動きを的確に理解できるグラフの作成が可能。分析の内容に合うチャートタイプが選択できるため、一目で分析の結果を伝えることができます。

また、ダッシュボードの機能も充実しており、分析を行いながら見たいカテゴリでのダッシュボードに変更することが可能。隠れた要因の発見にもつながります。

スモールスタート可能

BIツールの導入を成功させるためには、スモールスタートを意識することも大切です。いざ導入してみたものの、結局満足に使えなかった…という事態を招かないためにも、BIツールは徐々に増やしていくことがいいとされています。

しかし、BIツールは一般的に複数ライセンスからの契約としているものが多数。この要因が、BIツールの導入に対して足踏みしてしまう原因となる可能性も否めません。

Tableauは、数あるBIツールの中でも珍しくスモールスタートが可能。1ライセンスから契約できるため、徐々に範囲を広げていきたいと考える企業も安心して導入への一歩を踏み出すことができます。

「Tableauコミュニティ」の存在

Tableauには、「Tableauコミュニティ」という名前のコミュニティが用意されています。Tableauを使う人同士が交流できる場としてTableauコミュニティが存在しており、メンバー同士で疑問を解決しあうことも可能です。

世界中でなんと100万をも超える人がTableauコミュニティに参加しているため、企業の垣根を超えた交流も可能。社内で一人でTableauを使っている人やフリーランスの人など、個で動く人にとっての横のつながりをもつきっかけにもなるなど、ユーザー同士が盛り上がる機会を設けているBIツールです。

「Tableau(タブロー)」を使ってできること

「Tableau(タブロー)」を使ってできること

データ分析やグラフの作成なら、Excelでもできると考える人は未だに少なくありません。しかし、Tableauを使うことでクリック数工程数を大幅に削減できます。結果的に作業効率アップへとつながるため、Tableauを導入するメリットは大きいと言えるのではないでしょうか。

ExcelからTableauへの移行のイメージを膨らませるためにも、Tableauを使ってできることに目を向けてみましょう。

数回のドラッグ&ドロップだけでグラフが作成できる

ドラッグ&ドロップの直感的な操作で使うことができるTableauは、少ないステップでグラフ作成まで行うことができます。

Excelでグラフを作成する場合は、計算式を入力しグラフ化するまでに90秒ほど必要です。一方Tableauを使えば、ドラッグ&ドロップを数回繰り返すだけでグラフ化が完了。時間にして数秒でビジュアル分析を行うことができるため、大幅な作業効率アップにつながります。

データの自動更新が可能

Excelなどでデータの管理を行っていると、データの取りまとめやレポートの作成を行う際、時間と労力がかかってしまうというケースも多いことでしょう。しかし、属人的な作業が続いてしまうと、担当者が急遽休みになった場合や部署の配置転換などのときにさらに大きな負担がかかってしまいかねません。

データの取りまとめやレポートの作成から“人”を開放するのは、Tableauの得意分野。「Tableau Server」や「Tableau Online」と組み合わせて使うことで、人の手に頼ることなく自動でデータの更新作業を行うことができます。

データの更新スケジュールも、好きなタイミングに設定することが可能。データベース内にあるデータが常に最新のものとなるため、更新作業のための負担をカットできます。

数多くのデータと連携できる

Tableauは、その連携力の高さにも定評があります。Excelやテキストファイル、PDFなどはもちろん、さまざまなデータベースとの連携も可能。

約250ものアプリケーションと連携でき、さまざまな異なるデータ同士を関連づけられることから、ビジュアル分析の可能性がより一層広がっていきます。

「Tableau(タブロー)」の活用事例3選

「Tableau(タブロー)」の活用事例3選

世界において、さまざまな企業で取り入れられているTableau。活用事例を参考に、具体的な導入をイメージしてみましょう。

Tableauの導入で生産性が15倍に

美容系の媒体などでサービス業界内において圧倒的な強さを誇る株式会社リクルートライフスタイルは、Tableauを導入して脱Excelを行ったことで、生産性が15倍もアップしました。データ分析やレポーティング機能の使いやすさだけでなく、Tableauコミュニティの盛り上がりにも着目してTableauの導入を決定。カスタマーサポートを利用せずともTableauに関する疑問を解決できるという点も、Tableauのメリットだと感じているそうです。

Tableauは、現場だけでなくバックヤードでも活躍。Excelでは行えなかった分析ができるようになったことから、新たなニーズの発見にもつながりました。

現在は、社内でTableauをさらに普及させるべく、社員がそれぞれ自分一人で分析を行える状態にするための「シューマッハ・プロジェクト」を推進。結果、分析業務に関わる人間の半数以上がTableauを活用するようになり、数字を見ながらビジネスについて考えられる人材の増加につながったそうです。

Tableauを使ってデータを活用できる人材を育成

Tableauは教育現場でも活用されています。これからの世の中を生きていくためには、データ活用できることがマスト。データを見ながら意思決定を行える人材を育成するためにも、早い段階からデータ分析の分野に触れておくことが大切だと考えられています。

Tableauは教育現場にも導入できるような手頃な価格で提供されていることから、大学などの教育の場において導入される事例も増加。教員向けプログラムなども提供されており、データ活用への理解を深めるきっかけとなっています。

Tableauの導入で課題に対して多角的に取り組めるように

小売業界においても、Tableauは大きな支えとなっています。小売業界は利益の増減や消費者の需要の変化、不安定な市場など、直感にだけ頼った経営ではなくきちんとデータに基づいた方向転換が求められる業界です。

Tableauを導入することで、ダッシュボード機能などを使いながら視覚的にかつきちんとデータに基づきながら経営に関する課題を見つけることができるため、不安定な市場においても的確なアプローチを行うことが可能。グラフを作成するために時間をかけるわけではなく、多角的にデータを見ることに時間をかけられるようになったことは、Tableau導入の大きなメリットとなっています。

気になる「Tableau(タブロー)」の料金体系は?

導入にあたり重要な検討材料となるのが、他でもない「料金」についてではないでしょうか。BIツールの料金体系は複雑なものも多いですが、Tableauの料金体系に関しても少しわかりづらさを感じている人がいるようです。

そこで、導入の一歩を踏み出したい人に向けて、Tableauの料金体系について解説します。Tableauに魅力を感じている人は、参考にしてください。

料金プランは全部で三種類

Tableauは、1アカウントにつき1年間のサブスクリプション契約となります。料金体系は主に三種類ありますが、どのグレードのTableauを選ぶかによって必要なプランが異なるため注意が必要です。三種類のグレードの価格や違い、対応製品については以下の通り。
 
【Tableau Creator】
分析データの準備、公開データの分析が可能。
1ライセンスより購入可能。
<価格>税別102,000円(1ユーザーあたりの年間価格)
<対応製品>
・TableauPrepBuilder
・TableauDesktop
・TableauServer
・TableauOnline
 
【Tableau Explorer】
公開データの分析が可能。
5ライセンスより購入可能。
<価格>
Tableau Server:税抜51,000円(1ユーザーあたりの年間価格)
Tableau Online:税抜60,000円(1ユーザーあたりの年間価格)
<対応製品>
・TableauServer
・TableauOnline
 
【Tableau Viewer】
分析データの閲覧のみ可能。
100ライセンスより購入可能。
<価格>
Tableau Server:税抜18,000円(1ユーザーあたりの年間価格)
Tableau Online:税抜22,000円(1ユーザーあたりの年間価格)
<対応製品>
・TableauServer
・TableauOnline
 
ミニマムスタートを目指す場合はTableau Creator、少人数企業でダッシュボードの共有を行う場合にはTableau Explorer、大企業ならTableau Viewerと利用する人の役割や人数に合わせてプランを選定してください。

まとめ

Tableauは、より的確にかつ簡単にデータ分析を行いたいという企業におすすめのBIツールです。プログラミングやデータ分析に関する専門的な知識がなくてもデータ分析を行うことができるため、パソコン操作に慣れていない人やシニア層の従業員がいる企業にもおすすめできるBIツールであると言えるでしょう。

データ活用にかかる人的負担の悩みを抱えている企業は、ぜひTableauの導入を検討してみてください。

この記事の監修者:冨塚辰

この記事の監修者:冨塚辰

Fabeee株式会社のデータサイエンティスト。 広告代理店でオン・オフ問わずプロモーション領域を中心にプロデューサー、制作ディレクターとして国内・外資、幅広い業界のクライアントを担当。
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