企業のデータ分析に欠かせないBIツール!その機能や役割を徹底解説

2021.11.09

2022.02.02

DXのあるべき姿を考える


企業にとって、今や欠かせないものとなったデータ分析。ビッグデータを活用することがビジネスにおいて当たり前のこととなった今、「BIツール」を導入する企業も増えました。

Excelでデータの集計を行っている企業の中には、BIツールの導入を悩むところもあるかもしれません。そこで今回は、企業の強い味方となるBIツールのイロハについて解説します。ぜひ、導入検討の材料としてこの記事をご活用ください。

BIツールとは?


まずは、「BIツールとは?」という基本的なところから確認していきましょう。

BIツールは企業の意志決定を支援するためのツール

BIツールのBIは、「Business Intelligence(ビジネスインテリジェンス)」の頭文字を取った言葉。ビジネスインテリジェンスには、“組織がデータに基づいてより良い意思決定できるように支援すること”という意味があります。

BIツールは、膨大なデータの中からその企業にとって必要な情報を引き出し、意思決定までの時間を短縮するためにサポートしてくれるツールです。経営に関する意思決定や予算編成・売上管理のシミュレーションなどに活用できるため、BIツールを導入する企業が増えています。

なぜ、今BIツールが必要なのか

BIツールを導入する企業が増えていますが、なぜ今これほどまでにその必要性が叫ばれているのでしょうか。その理由は、「情報活用の重要性の高まり」と「BIツールの使いやすさ」にあります。

情報を活用することの重要性については、以前から指摘されていました。人とモノとお金で動いていた企業に「情報」が必要になったのは、コンピュータが導入されてから。かつては人の手でモノの販売から集金までが行われていた世の中が、コンピュータの導入によって一気にシステム化・デジタル化されていきました。

人にかかる負担が減ったり、業務の流れのスピードが急激に加速したりと、システム化・デジタル化によって経済の仕組みは激変。一方で、「何が売れてどれくらい儲かっているのか」ということが体感しにくくなっていきました。

そこで、システムに蓄積されているデータに注目が集まります。ただデータを蓄積するだけでなく、そのデータを経営判断のためにどう生かすのか。データは今後もどんどん増え続ける一方であり、その財産を活かすためにも素早くデータの分析・可視化が行えるBIツールを活用できるかどうかが重要だとされています。

データ分析から可視化まで、一通り行えるBIツール。膨大なデータを活用していかなければいけない企業にとって、BIツールの重要度は高まる一方です。
 
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BIツールのおすすめ10選を徹底比較!導入のメリットやExcelとの違いを確認しよう

BIツールの機能とその役割

BIツールの機能とその役割
BIツールには、さまざまな機能があります。それぞれの機能とその役割について、一つずつ見ていきましょう。

ダッシュボード

BIツールの「ダッシュボード」は、グラフや集計表などを一つの画面にまとめて表示させる機能のこと。分析結果が視覚的にわかりやすく表示され、現場の課題発見や新たな気づきへと直結します。

この機能は、データの可視化を目的としており、リアルタイムでの参照も可能。経営判断やビジネスのスピードアップにつながり、意思決定のサポーター的役割を果たします。

レポート機能と組み合わせれば、ダッシュボードに表示されたグラフなどを出力することも可能。会議の資料作成の時短にもつながる、便利な機能です。

OLAP分析

「Online Analytical Processing 」の頭文字を取って名づけられたOLAP分析。日本語では「オンライン分析処理」という意味で、その意味の通り多次元的に集計や分析を行い、素早く結果を出すことができる機能です。

日々蓄積された膨大な量のデータをあらゆる角度から分析し、現状確認や新たな課題の発見につなげられるのがOLAP機能の特徴。個人の成績の分析に活用したり、施策に対する現在の進捗状況の確認などに活用したりすることができ、営業部門やマーケティング部門などさまざまな場所でその役割を果たしてくれます。

データマイニング

データマイニングは、データを統計的に分析し、一見関連のないような事例同士の結びつきを見つけるための機能です。「マイニング」は発掘という意味を持つ言葉ですが、その言葉の通り「データを分析することで価値のある法則を見つけ出す(発掘する)」ことができます。

データマイニングは、データを分析することでしか見えない法則を見つけるのを得意とする機能であるため、マーケティングにおいて大活躍。利益の予測だけでなくリスクの予測にもつなげられるため、社会的な課題の解決にも役立てることができます。

シミュレーション

シミュレーションは、蓄積された過去のデータを基に分析しながら予測を立て、これからの計画に活かせる最適な数値を導き出すための機能です。予算編成やマーケティングに役立つことから、経営判断においても重要な役割を果たす機能の一つ。

しっかり裏付けされた予測であるため、再現性が高いこともこの機能を利用するメリットだと言えます。

BIツールを利用するメリット

BIツールを利用するメリット

BIツールを導入することで、企業にとってさまざまなメリットが生まれます。どのようなメリットが生まれるのか、確認していきましょう。

社内のデータを集約できる

BIツールは、その他のシステムとは異なり、扱うデータの形式にとらわれないという特徴があります。社内外にあるさまざまなデータは、保管場所もさることながら形式もバラバラとあって、散り散りになっているのが当たり前でした。

BIツールならシステム間を横断してのデータ分析が可能。データを管理しやすくなるのはもちろん、それぞれのデータを組み合わせて分析した結果をグラフとして瞬時に表すこともでき、より有意義なデータの可視化を行うことができるようになります。

レポート作成にかかる手間が省ける

日々の業務の中で、報告書やレポートの作成に時間をかけているという人は少なくないことでしょう。これらの作業に時間を取られ、本当に時間をかけなければいけないところに時間を割けないという悩みを持つ人も多いことかと思います。

BIツールは、データ分析ができるだけでなく、グラフ・レポートの作成まで行えるため、報告書やレポートの作成にかけていた時間の大幅な短縮が可能。一目でみてわかるグラフも瞬時に作成できるため、日々の業務の効率化に直結します。

データから新たな発見につながる

BIツールではさまざまなシステムのデータから分析を行うことができるため、一つのデータでは見えなかったような新たな価値の発見につながるケースが珍しくありません。価値の発見だけでなく、経営に関わる問題・課題の発見にもつながるため、経営判断のスピードをアップさせるためのきっかけとなります。

“手遅れ”になる前に迅速に対応できるのは、BIツールがあるからこそだと言えるのではないでしょうか。

BIツールを業務で活用するためのポイント

BIツールを業務で活用するためのポイント

BIツールは、Excelとは違いコストをかけて導入する必要があります。そのため、お金をかけて導入したものの業務に活かせない…という状態にならないよう、BIツールを活用するためのポイントをおさえておくことが大切です。

では、おさえておくべきポイントを確認していきましょう。

導入の目的を明確にしておく

BIツールはデータ分析やグラフ作成などを行ってくれるツールですが、そもそもどういう目的で導入し、現場でどのように活用するのかを明確にしておかなければ宝の持ち腐れのような状態になってしまいます。このような状況を招かないためには、経営陣はもちろん現場にもヒアリングを行ない、「どんなデータをどう活用したいのか」というBIツールの使用目的をはっきりさせておくことが大切です。

「データにまつわる作業の手間が省ける」という大まかな目的ではなく、“何をどうしたいのか”までこまかく目的を決めておかなければいけません。

BIツールで分析するためのデータを揃えておく

BIツールを業務で活用するためには、他でもない“データ”の存在が必要不可欠。導入の目的を明確にしてからBIツールを導入したとしても、肝心のデータがなければ分析にはつながりません。

BIツール導入後、スムーズに業務の中で活用していくためには、データをしっかりと揃えておくことが大切。BIツールを使って行おうとしている分析に必要なデータ揃っているかどうか、導入前にしっかりと確認しておきましょう。

スモールスタートを目指す

使い方次第でさまざまなことが行えるBIツールですが、いきなり全社一斉に導入すると問題が発生してしまい、かえって負担となってしまいかねません。まずは、部署ごとの導入や取り組みやすいデータからの着手など“スモールスタート”を意識することが大切。

一気に大きな作業に取り掛かるのではなく、徐々にBIツールの活用の幅を広げていくということも導入の際におさえておきたいポイントです。

まとめ

BIツールは、企業の経営判断のスピードアップや業務効率化のために欠かせないツールとなりつつあります。膨大なデータの中にある経営のヒントを見つけ出すためにも、BIツールを賢く活用していきましょう。

この記事の監修者:冨塚辰

この記事の監修者:冨塚辰

Fabeee株式会社のデータサイエンティスト。 広告代理店でオン・オフ問わずプロモーション領域を中心にプロデューサー、制作ディレクターとして国内・外資、幅広い業界のクライアントを担当。
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