行動データはなぜ重要なのか?活用のポイントや実際の事例についてチェック

2022.02.18

2022.05.17

DXのあるべき姿を考える

行動データはなぜ重要なのか?活用のポイントや実際の事例についてチェック

インターネットやスマホなどデバイスの普及により、今はさまざまなデータが収集できる世の中となりました。企業がマーケティングを行う上でさまざまなデータを活用することは、もはやビジネスにおける常識となっています。

今回は、あらゆるデータの中でも人々の動きに特化した「行動データ」にスポットを当てて解説。デジタルマーケティングを行う上で重要な存在である行動データとは、どういったデータのことなのでしょうか。

 
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行動データとは

行動データとは

まずは、行動データとは何か?という基本的なところについて確認していきましょう。

マーケティングに欠かせない行動データ

行動データとは、簡単に言えば人(顧客)の行動をデータにしたもの。企業が持っている顧客の属性・行動に該当するデータのことであり、適切な施策を実施するためにも欠かせない存在となっています。

顧客の属性と行動に関するデータは、それぞれ「属性データ」・「行動データ」と区別。顧客の年齢や家族構成などパーソナルな部分に関するデータを「属性データ」、GPSの位置情報やWebの閲覧履歴、SNS上での行動履歴などを「行動データ」と呼んでいます。

行動データの活用がなされていなかった時代には、顧客の年齢や性別、職業などの属性データからしかマーケティングを行えませんでした。しかし、属性データのみでは顧客が商品・サービスの購入に至ったプロセスをおおまかにしか推測することができません。

行動データが活用できるようになってからは、データに基づいたより深い分析が可能に。顧客について深掘りできるようになったのはもちろん、マーケティングの最大化にも寄与しています。

複雑化した顧客行動に対する行動データの重要性

複雑化した顧客行動に対する行動データの重要性

オフラインでの行動がメインだった時代に比べ、オフラインとオンラインを行き来することが当たり前になった今は、顧客行動が複雑化しています。複雑化したとは言え、マーケティングを行う上で顧客行動の分析をかかすことはできません。簡単に顧客の行動を分析できない時代だからこそ、活用すべきなのが他でもない「行動データ」です。

行動データは、人の行動を可視化するのに最適なデータ。ひと昔前までは、新聞やテレビなどを使って広告を出せば商品やサービスの認知度が上がり、購入へとつなげることができました。しかしネットがこれだけ普及した今、一方的に発信される商品・サービスの情報だけで購入の決断に至るケースは少なく、商品・サービスの行動に至るまでも複雑化しています。

行動データは、これだけ複雑になった顧客の行動を可視化するために欠かせない存在。「どの顧客がどういう経緯で商品・サービスを購入したのか」を、行動データの活用によって明確にすることができるのです。

オフラインとオンラインを自由に行き来できる今、行動データをもとに顧客の購入プロセスを可視化することは企業にとってマスト。ベストなタイミングでのコミュニケーションを取るためにも、行動データの重要度から目をそらすことはできません。

行動データの有効性

行動データの有効性

行動データは、どのような場面においてその有効性を発揮するのでしょうか。

マーケティングからギャンブル的要素を排除できる

先ほど、属性データのみを活用していた頃のマーケティングは、推測が軸になっていたというお話をしました。属性データはあくまでもただの“事実”であり、その顧客がどういうプロセスを経て購入に至ったのかという部分においては“勘”に頼るしかなかったのです。

勘に頼ったマーケティングからの施策を実施するということは、ある意味ギャンブルと同じ。答えが明確になっていないまま施策を打ち出すことになるため、個々によってベクトルが違って当たり前なのです。しかし、それでは施策そのものに意味がなかったという事態を招きかねません。

行動データは、属性データがもつ“事実”に顧客の購入までのプロセスというより深い事実をプラスできる要素。どこから購入したのかという“ゴール”の部分だけでなく、どこから入ってどういうプロセスを経て購入にたどり着いたのかという“中間の行動”が確認できるのは、行動データを活用するからこそだと言えます。

幅広いターゲットへのアプローチが可能になる

収集する行動データの量が増えれば増えるほど、いろいろなことが見えてくるようになります。これまでの施策が正しかったのかや課題の方向性の修正など、さまざまな気づきが生まれてくるからです。

行動データの活用によって購入までのプロセスがより鮮明に見えるようになると、これまでよりもさらに幅広い層へのアプローチが可能になるのは言うまでもありません。まだ比較・検討段階にある見込み客からリピート・ファン層まで、継続的にアプローチできるようになるでしょう。

行動データを活用する上でのポイント

行動データを活用する上でのポイント

的確なマーケティングを行うためにも、積極的に活用したい行動データ。データの持つ力を最大限に引き出すためには、データサイエンティストの存在がカギとなります。

行動データに関わらず、あらゆるデータを活用する上で専門知識を持った人材は貴重な存在となります。特に行動データは他のデータに比べて膨大な量となっており、内容の解釈についても難しいものとされています。

行動データを適切に活用するためには、データの中の数字からその背景にある情報を読み取ったり、顧客の購入までの行動を具体的にイメージできたりという能力を持つ人材を確保しておかなければいけません。実際に行動データを活用している企業は、データサイエンティストを配置しているケースがほとんど。

しかし、IT人材の不足が叫ばれる中、データサイエンティストの確保は極めて難しいのが事実です。データサイエンティストが確保できない場合には、外部サービスを利用したり解析ツールを導入したりして、行動データを活用するための環境を整えておかなければいけません。

行動データの活用事例

行動データの活用事例

行動データは、さまざまな場面で活用されています。事例をいくつかピックアップして、ご紹介しましょう。

潜在顧客の発見につなげる

SNSの行動データから、潜在顧客の発見につながったケースが多く報告されています。「SNSデータ」と呼ばれる行動データは、SNS上でどういう人がどういったことをつぶやいた(発信した)かを把握するために活用できるデータ。

実際に、商品のターゲットを30代に設定しているメーカーが、特定のKWに対するSNS上の書き込みをSNSデータから読み解いたところ、実際には40代が真のターゲットであったというケースも。商品やサービスに対する書き込みが多いSNSデータは、潜在顧客を発見する上でも有効に活用できるのです。

Web行動データの活用で的確にDMを送付

Web行動データとは、Web上における検索履歴や閲覧行動履歴などの総称。ネット上にある情報から商品やサービスの購入を検討することが当たり前になった今、Web行動データは重宝される存在となっています。

Web行動データを活用して、顧客のニーズを的確に把握し、送付するDMの内容を分けている事例も。DMはがきに自社サイトのQRコードを記載し、そこから自社サイトへ誘導して、どのページに入っていったのかを分析することで、顧客それぞれのニーズがどこにあるのかを明確にしたのです。

また、申し込みには至らなかったものの、その後もサイトへ訪問している顧客に対してもフォローできることから、Web行動の有効な活用事例として紹介されています。

まとめ

行動データは、マーケティングの精度を高めるために必要不可欠な存在であると言えます。データ活用のための環境(基盤)作りは必要ですが、効率良くターゲットへアプローチするためにも、活用を検討する意味のあるデータです。

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この記事の監修者:冨塚辰

この記事の監修者:冨塚辰

Fabeee株式会社のデータサイエンティスト。 広告代理店でオン・オフ問わずプロモーション領域を中心にプロデューサー、制作ディレクターとして国内・外資、幅広い業界のクライアントを担当。
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