投稿日 2022.04.19

最終更新日 2022.04.19

マーケティングミックスとは?「4P」と「4C」の関係性や事例なども合わせて紹介

マーケティングミックスとは?「4P」と「4C」の関係性や事例なども合わせて紹介
実行戦略を意味する、「マーケティングミックス」という言葉。新しい商品の開発やサービスの提供を始める際に役立つマーケティングミックスですが、まだその言葉自体になじみがないという人も少なくないことでしょう。

そこで今回は、「マーケティングミックスとはなにか?」という基本的な部分や、実際の事例についてご紹介。「マーケティングミックス」のイロハについて学んでいきましょう。

マーケティングミックスとは

マーケティングミックスとは

まずは、マーケティングミックスの基本的な考え方から触れていきましょう。

マーケティングミックスとは、マーケティングにおける実行戦略のこと。マーケティングミックスは、さまざまなツールやフレームワークを使ったプロモーション、プロダクト戦略などあらゆる施策を組み合わせ、マーケティングの効果を最大限に引き出すためにまず何を実行すべきかということを策定していきます。いろいろなマーケティング施策をミックスしてマーケティング効果を最大限に引き出そうとする動きであるため、マーケティングミックスと呼ばれているのです。

マーケティングは、市場調査など環境の分析→基本戦略・実行戦略の策定→施策の実行と評価という流れで進んでいきます。マーケティングミックスが必要となるのは、マーケティングの流れの中でも「基本戦略・実行戦略の策定」の部分。複数の要素の中から、最良の組み合わせを見つけ出す。これが、マーケティングミックスの本質です。

「4C」と「4P」とは

「4C」と「4P」とは

マーケティングミックスは、「4P」と「4C」という構成要素から成り立っています。では、「4P」と「4C」とは何を指す言葉なのでしょうか?その意味を確認していきましょう。

「4P」とは?

「4P」とは、マーケティングミックスの構成要素である「Product(製品)」・「Price(価格)」・「Place(流通)」・「Promotion(プロモーション)」の頭文字を取った言葉。それぞれの意味合いについて、以下にまとめました。
 
【Product(製品)】
企業が生産している、製品やサービスのこと。Product(製品)のPが、マーケティングミックスにおいて第一のPとなっており、4つの構成要素の中でも特に重要な存在として扱われています。
Product(製品)には、製品コンセプトを実現するためのパッケージ案や技術、デザイン、品質、アフターサポートなどさまざまな要素が含まれています。
 
【Price(価格)】
企業が生産した製品に対して、顧客が支払う対価のこと。Price(価格)は売上に直結する要素であり、変動費と固定費から見るコストや顧客の持つ価値相場観、ライバルブランドとの比較、ブランド戦略などの観点から策定していきます。
 
【Place(流通)】
顧客と製品とを結ぶ経路(チャネル)のこと。Place(流通)は、「どこで製品を販売するのか」ということだけに限らず、顧客と製品とが結びつくまでの経路(チャネル)や供給流量なども含んでいます。
Place(流通)のPがあって初めて顧客と製品とがつながるため、売上アップにも直結する重要な要因の一つです。
 
【Promotion(プロモーション)】
広告や宣伝にまつわるプロモーション戦略のこと。Promotion(プロモーション)は、製品を顧客に購入してもらうために重要な役割を果たすものです。
マス広告やSNS広告、キャンペーンなど、プロモーションの手法は多岐に渡ります。顧客の購買意識に変化をもたらし、製品の購入へとつなげるためにもPromotion(プロモーション)による顧客とのコミュニケーションが大切です。

「4C」とは?

企業側の視点から実施される「4P」に対して、「4C」は顧客側の視点から4Pを見直したもの。「Customer Value(顧客価値)」・「Cost(顧客側の経費)」・「Communication(顧客と企業のコミュニケーション)」・「Convenience(顧客の利便性)」の頭文字を取って、「4C」と呼ばれています。それぞれの意味合いについて、以下にまとめました。
 
【Customer Value(顧客価値)】
4Pにおける「Product(製品)」と対になるのが、「Customer Value(顧客価値)」。顧客を対象とした製品やサービスから感じ取ることができる、価値観のことを指します。
顧客側の視点で製品やサービスを見たとき、その製品やサービスに対してどのような価値があるのかを考えるための要素です。
 
【Cost(顧客側の経費)】
4Pにおける「Price(価格)」と対になるのが、「Cost(顧客側の経費)」。製品やサービスのために顧客が支払う対価のことです。
製品やサービスを手に入れるために支払うお金だけでなく、その製品やサービスを購入するために支払った交通費や移動の時間なども、Costに含まれます。
 
【Communication(顧客と企業のコミュニケーション)】
4Pにおける「Promotion(プロモーション)」と対になるのが、「Communication(顧客と企業のコミュニケーション)」。その単語のとおり、顧客と企業のコミュニケーションのことを指し、製品と顧客との接点の部分にあたります。
対面でのコミュニケーションやイベント、SNSなどによる発信はもちろん、カスタマーセンターなど顧客側からの問い合わせ対応も含まれます。
 
【Convenience(顧客の利便性)】
4Pにおける「Place(流通)」と対になるのが、「Convenience(顧客の利便性)」。これは、製品やサービスを購入する際の利便性にあたる要素です。
製品やサービスを購入する場所や購入にかかる時間、購入できるエリアの範囲をはじめ、Webで該当の製品・サービスを検索した際の見つけやすさや、決済に関する利便性なども含まれます。

マーケティングミックスの活用方法

マーケティングミックスの活用方法

マーケティングミックスを活用するためには、先ほど解説した「4P」と「4C」関係を重視しなければいけません。企業視点である「4P」だけが優先されたり、顧客視点である「4C」だけが優先されたりと、それぞれのバランスが維持されなければマーケティングを活用することはできないのです。

マーケティングミックスにおいては、企業側が考えている特徴や想定したニーズと、顧客側のニーズがマッチしているかどうかが重要。
 
【顧客を想定】→【4Pに対する一貫性の維持】→【4Pのバランスの整合性】→【相乗効果が生み出せているかどうかの確認】
 
上記のステップを踏むことが、マーケティングミックスを活用する上で大切なポイント。マーケティングミックス活用のカギは、企業側と顧客側との間に生じる想定外のギャップを一つずつ解消し、顧客ニーズの調査・分析を実施しながら対策を講じることです。

マーケティングミックスの事例

マーケティングミックスの事例

ここで、マーケティングミックスの実際の事例をいくつかご紹介しましょう。

スターバックスコーヒー

世界的なコーヒーチェーン店として知られるスターバックスコーヒーは、マーケティングミックスの事例の中でも最初に紹介されるケースが多く、有名な成功例として知られていいます。スターバックスが重視したのは、「単にコーヒーを売る店にしない」ということ。顧客にとって居心地の良い空間作りに重きを置き、“サードプレイス”として存在することを重視しました。

結果、コーヒー1杯300円という少し高めの値段設定であっても、業界内で確固たる地位を築くことに成功。企業側からのプロモーションを行わずとも、口コミやSNSなどで自然と店舗の情報が拡散されるなど、マーケティングミックスの効果が如実に表れています。

ニトリ

1967年に創業した「似鳥家具店」から成長を遂げ、今や人々の生活に浸透している「ニトリ」。ニトリも、マーケティングミックスに成功した企業の一つです。今や全国に400店舗以上を展開する大きな企業となりましたが、そんなニトリにも低迷の時代があり、低迷期から脱出するためにマーケティングミックスが活用されました。

ニトリの特徴は、ユーザーのニーズをくみ取った商品ラインナップとリーズナブルな価格設定。CMで流れている「お、値段以上」というフレーズの体現に成功しており、ブランドの確立につながりました。

商品の流通に関しては、店舗販売とオンラインストアが柱。郊外には大型店舗が配置されており、大型店舗に行けば全てそろうというのもニトリの魅力だと言えます。また、販売促進のためのトータルコーディネート例展示も、ニトリのマーケティングミックスにおけるカギの一つ。顧客の“まとめ買い欲”と掻き立てることにつながり、売上アップに貢献しています。ターゲットを絞ってマーケティングを行うことで、IKEAにも引けを取らない売上を実現。マーケティングミックスの成功事例としても、有名なケースです。

まとめ

企業がマーケティング戦略を立てる上で、押さえておきたいマーケティングミックス。企業側からの視点と顧客側からの視点のバランスを取ってマーケティングを行うことは、必ず企業の成長に貢献します。

マーケティングミックスのポイントを頭に入れて、実践してみましょう。

この記事の監修者

冨塚 辰

冨塚 辰

プロジェクトマネージャー